- 訪問看護ステーションの事務業務に資格は必要?
- 訪問看護ステーションの事務業務に役立つ資格を知りたい
このような悩みにお答えします。
訪問看護ステーションの事務職は、一般の事務職と比較して保険制度の知識や電子カルテの操作スキルなどが求められます。
そのため、一般の事務員が訪問看護ステーションの事務職に転職したいと思っても、特別な資格が必要だと思う方もいるのではないでしょうか。
結論として、訪問看護ステーションの事務員として働くうえで、必須の資格はありません。
しかしもっていると業務に役立つ資格は多くあります。
今回は、訪問看護ステーションの事務業務に役立つ資格を7つ紹介します。
目次
訪問看護ステーションの事務業務に必須の資格は?
訪問看護ステーションの事務職には、基本的に資格がなくても応募可能で、一般企業での事務経験を活かせる可能性が大いにあります。
医療や介護への関心、学習意欲があれば未経験でも十分通用するでしょう。
ただし、医療事務や介護事務の資格をもっていると、入職後の業務習得もスムーズに進むことが期待できます。
業務遂行に必要なスキルとしては、WordやExcelなどの基本的なパソコン操作能力と、医療機関で使用される電子カルテシステムなどの操作スキルが求められるのが一般的です。
心配なのは訪問看護特有の知識かもしれませんが、これらは多くの場合、入職後の研修や実務をとおして少しずつ学んでいけます。
一般事務からの転職でも過度に心配する必要はありません。
訪問看護の事務業務に役立つ資格
訪問看護事務の仕事には、医療保険と介護保険の両方の知識や、電子カルテなどのICTに関する知識も必要です。
以下では、訪問看護の事務業務に役立つ資格を紹介します。
- 医療事務技能審査試験
- 医療事務検定試験
- 医科2級医療事務実務能力認定試験
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 介護事務管理士®
- 医療事務OA実務能力認定試験
- 電子カルテオペレーション実務能力認定試験
これらの資格はほとんどが独学や通信講座でも取得可能です。
順番に見ていきましょう。
医療事務技能審査試験
医療事務技能審査試験は、「一般財団法人日本医療教育財団」が認定しており、合格率80%程度と比較的取得しやすく、医療事務の初心者におすすめの資格です。
50年の歴史をもつこの試験は、厳格な基準で診療報酬請求事務や患者接遇などの実務能力を評価します。
医療機関の採用基準や個人のスキル証明・目標として高い信頼を得ており、医療事務関連では最大規模の全国統一試験として知られています。
この試験の特徴は、診療報酬請求事務だけでなく、患者中心の医療を反映した患者接遇スキルも試験科目に含まれており、実務に即した内容となっている点です。
合格者には、医療事務職に必要な能力を証明する「メディカル クラーク®」の称号が付与され、現場での信頼性が高まります。
受験資格は特に問われないため、一般事務からの転職を考えている方でも気軽に挑戦できる点も魅力的です。
医療事務検定試験
医療事務検定試験は、「日本医療事務協会」が主催する医療事務全般の基本的な知識と実践的なスキルを審査する試験で、主に以下の内容を網羅しています。
この資格は未経験からの就職活動においても有利に働き、履歴書には「日本医療事務協会主催医療事務検定試験合格」と記載できます。
実践で役立つスキルを身に付けたい方や短期間で資格を取得して働きたい方に特におすすめです。
ただし、日本医療事務協会が認定する医療事務講座を修了した者しか受験できず、個人での独学では認められていない点に注意が必要です。
試験形式は在宅受験で、毎月第4日曜日に実施され、期日までに答案を提出する方式で、学科と実技の両方があります。
合格基準は総得点の70%程度を基準とし、問題の難易度によって合格点が補正される仕組みになっています。
訪問看護ステーションの事務業務にも直接役立つ知識を網羅しているため、転職を考えている方には大きな武器になるでしょう。
医科2級医療事務実務能力認定試験
医科2級医療事務実務能力認定試験は、「全国医療福祉教育協会」の認定試験であり、レセプト作成の高い精度と実務能力、および医療関連法規の知識を客観的に評価・認定します。
この資格はより難易度の高い「診療報酬請求事務能力認定試験」へのステップアップにもなるため、キャリアアップを目指す方に適しています。
レセプト作成のプロフェッショナルを目指す方や、上位資格を受験する前に実力を試したい方におすすめの資格です。
受験資格は特になく、誰でも挑戦できるのが特徴で、一般受験は在宅、団体受験は原則として申込機関で実施されます。
試験は学科と実技から構成され、合格基準は正答率60%以上、合格率はおおむね60~80%程度となっています。
診療報酬請求事務能力認定試験
「公益財団法人日本医療保険事務協会」が実施する試験で、医療事務関連では厚生労働省が認定している唯一の試験です。
受験資格に制限はなく、誰でも挑戦できるのが特徴ですが、実務経験をもっている人向けの内容となっています。
この試験には学科試験と実技試験の両方があり、診療報酬の仕組みを理解してレセプト(診療報酬明細書)の作成・点検ができる能力が求められます。
合格率は約30%程度と難易度が高いですが、取得価値は非常に高く、訪問看護の診療報酬請求業務にも直接役立つ知識が身に付きます。
介護事務管理士®
介護事務管理士®は「技能認定振興協会(JMSA)」が実施する、介護サービス事業所での介護費用請求業務を行うための専門知識を証明する資格です。
利用者への接遇や正確な介護報酬の計算スキルが身に付くため、訪問看護ステーションの事務職にとって非常に役立ちます。
この資格取得によって証明できるスキルは、以下のとおりです。
- サービス事業所の受付における対人スキル
- 会計スキル
- レセプト業務スキル
2000年に日本初の介護事務資格として開始され、全国的に認知されている点も大きな魅力です。
試験の受験資格は特になく、学科と実技の試験があり、合格率は約70%となっています。
訪問看護ステーションでは介護保険が適用されるケースも多いため、この資格をもっていると業務の理解が深まり、スムーズな事務処理ができるようになるでしょう。
医療事務OA実務能力認定試験
医療事務OA実務能力認定試験は、「全国医療福祉教育協会」が実施する試験で、医療事務におけるコンピュータ操作スキルを証明できる資格です。
レセプトコンピュータの操作方法や電子カルテの基本知識が身に付くため、IT化が進む現代の医療現場で重宝される資格となっています。
訪問看護ステーションでも電子カルテを利用するため、当該スキルの重要性は年々高まっています。
基本的なOAスキルに加え、医療専用ソフトの知識も習得できるため、訪問看護記録システムの操作にも応用できる点が魅力です。
試験は学科と実技の両方があり、合格率は約60~80%と比較的取得しやすい資格です。
受験資格は特にありませんが、試験にはPC操作が必須となりますので、基本的なパソコンスキルをもっていることが前提となります。
電子カルテオペレーション実務能力認定試験
電子カルテオペレーション実務能力認定試験も「全国医療福祉教育協会」が主催する試験で、電子カルテシステムの操作に特化した資格です。
システム操作の専門知識が証明できるため、医療情報の電子化に対応できるスキルの証明になります。
医療現場ではペーパーレス化が進んでおり、電子カルテの知識をもつ人材の需要は今後さらに高まる見込みです。
特に訪問看護の分野でも記録の電子化が急速に進んでいるため、この資格をもっていると大きな強みとなるでしょう。
試験は学科と実技があり、合格率は約60~80%程度となっています。
近年では在宅医療と施設との情報共有にも電子システムが活用されているため、このスキルをもつ事務職員は重宝されると考えられます。
まとめ
今回は、訪問看護の事務業務に役立つ資格を7つ解説しました。
複雑な制度に関する知識や、対人スキル、PCスキルなどが求められますが、少しずつ身に付けていくことで着実にスキルアップができるでしょう。
ぜひ本記事を参考に訪問看護事務へ挑戦し、活躍してください。