電話対応でメモが追いつかないと焦りますよね。
特に情報量が多い訪問看護の現場では、聞き漏らしが大きなミスに繋がる不安もあるはずです。
この記事では、新人事務員でも明日から実践できるメモ術や、現場で役立つ略語の活用法を解説します。
読み終える頃には、電話がなる恐怖が消え、スムーズに情報を整理できるようになります。
目次
電話対応のメモが追いつかない原因
電話対応でメモが追いつかない原因は、技術不足だけではありません。
現場の状況や心理的な要因が複雑に絡み合っています。
主な原因は以下の3点です。
- 「一言一句すべて書こう」という完璧主義がスピードを下げている
- 「聞く・書く・考える」のマルチタスクによる脳のオーバーフロー
- 専門用語や現場特有の略語に慣れておらず思考が停止している
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「一言一句すべて書こう」という完璧主義がスピードを下げている
すべての言葉を書き留めようとすると、ペンが止まった瞬間にパニックに陥ります。
電話メモの目的は、要点を正確に伝えることであり、一言一句を記録することではありません。
一字一句を丁寧に追うほど、次に続く重要な情報を取りこぼすリスクが高まります。
まずは「必要な情報だけを拾う」という意識への切り替えが最優先です。
「聞く・書く・考える」のマルチタスクによる脳のオーバーフロー
電話対応は、相手の話を聞きながら内容を理解し、同時に手を動かす高度な作業です。
人間の脳は複数の作業を同時にこなすと、処理速度が急激に低下する性質を持っています。
特に慣れないうちは、書くことに意識が向きすぎて話の内容が頭に入らない「脳の渋滞」が起こりがちです。
この負荷を減らす工夫をしない限り、スピードアップは望めません。
専門用語や現場特有の略語に慣れておらず思考が停止している
医療や介護の現場では、日常会話では使わない専門用語が飛び交います。
知らない単語を耳にした瞬間、脳がその意味を探そうとして、手の動きが数秒間止まってしまいます。
「ADL」や「サマリー」など、訪問看護の事務として働き始めたばかりで知識がない方では、単語そのものに馴染みがないため、スペルや漢字を考えるだけで精一杯になる可能性があります。
電話メモが追いつかない状況を打破する5つのテクニック
メモを速く取るためには、根性論ではなく「仕組み」で解決するのが賢い方法です。
具体的には以下の5つのテクニックが有効です。
- 「5W1H」の専用テンプレートを用意して穴埋め形式にする
- 漢字を捨ててカタカナと記号をフル活用する
- 文章ではなく「単語(キーワード)」だけを拾う
- 自分がゆっくり話すことで相手のペースを自然にコントロールする
- 聞き取れなかったときは「クッション言葉」を添えて堂々と聞き返す
これらを組み合わせることで、劇的に余裕が生まれます。
「5W1H」の専用テンプレートを用意して穴埋め形式にする
真っ白な紙にメモを取るのではなく、あらかじめ項目を印刷したシートを使いましょう。
「いつ・誰から・誰に・何の用件で・折り返しは?」という枠を作るだけで、書くべき場所が明確になります。
テンプレート(型紙)があれば、思考を介さずに手が動くようになります。
漢字を捨ててカタカナと記号をフル活用する
画数の多い漢字を書こうとする時間は、メモの天敵です。
「検討する」を「ケントウ」、「確認」を「OK?」といったように、カタカナや記号に置き換えてください。
また、「↑(良くなった)」「↓(悪くなった)」といった矢印記号を使うだけで、記述量は激減します。
スピード重視の場面では、綺麗さよりも「自分が後で判別できること」を最優先すべきです。
文章ではなく「単語(キーワード)」だけを拾う
「〜と言っていました」などの語尾や接続詞は、一切書く必要がありません。
「14時」「ケアマネ」「微熱」「折電希望」といった、意味を持つ単語だけを並べてください。
点と点を結ぶようにメモを取れば、文章を書くよりも数倍速く記録できます。
後から文章として補完すれば良いため、通話中はキーワードを捕まえることだけに集中しましょう。
自分がゆっくり話すことで相手のペースを自然にコントロールする
相手のペースに振り回されるときは、自分の話し方をあえてゆっくりにしてみましょう。
対話には「同調性の原理」があり、一方がゆっくり話すと、相手も無意識にスピードを落とす傾向があります。
相手が早口で困るときは、落ち着いたトーンで相槌を打ち、こちらのペースに引き込みます。
急かされるプレッシャーを自分から緩和する、非常に有効な心理テクニックです。
聞き取れなかったときは「クッション言葉」を添えて堂々と聞き返す
無理に推測で書くことは、誤情報の原因となり最も危険です。
「恐れ入りますが」「お電話が少し遠いようで」といったクッション言葉(相手への配慮を示す言葉)を添えて、聞き直しましょう。
「お名前の漢字を正確に記したいため、もう一度伺えますか?」
と理由を添えれば、相手も不快に思いません。
正確な情報を取ることが事務職の信頼に直結すると心得てください。
訪問看護の事務が使える!爆速メモのための略語・記号
訪問看護の現場では、特定の職種や状況を指す略語を覚えるとメモが圧倒的に楽になります。
現場で頻出する用語をまとめました。
- NS、CM、SWなど業界共通の略記を活用
- 「折電(折り返し)」「要・伝(伝言が必要)」などの省略文字
- am/pmや、体調不良を示す「↓」などの記号活用
これらを活用して、筆記量を最小限に抑えましょう。
NS・CM・SWなど業界共通の略記を活用
業界内で共通して使われるアルファベット表記を覚えましょう。
看護師は「NS(ナース)」、ケアマネジャーは「CM」、相談員は「SW(ソーシャルワーカー)」と記します。
「ケアマネジャー」と7文字書く間に「CM」なら1秒で終わります。
これらの略語は、医療現場での共通言語として広く浸透しているため、引き継ぎでも重宝します。
「折電(折り返し)」「要・伝(伝言が必要)」などの省略文字
頻繁に発生する指示は、自分なりの短縮形を決めておきます。
「折り返し電話が欲しい」は「オリ」、「伝言をお願い」は「デン」といった一文字書きでも十分です。
また「ASAP(アズ・スーン・アズ・ポッシブル:なるべく早く)」などの英語略語を取り入れるのも手です。
定型的な動作を記号化することで、内容の核心部分を聞き取るための「耳の余裕」が生まれます。
am/pmや、体調不良を示す「↓」などの記号活用
時間の指定や容態の変化も記号で表現可能です。
午前は「am」、午後は「pm」、体温の変化は「BT」と矢印「↑or↓」で記録します。
例えば「午後から熱が上がった」なら「pmBT↑」と書くだけで完了です。
視覚的に状況が把握しやすくなるため、看護師への報告時にも「パッと見て状況がわかる」というメリットがあります。
メモを完成させるのは電話を切った後!ミスを防ぐ事後処理のルール
通話中に完璧なメモを仕上げようとするのは非効率です。
電話を切った後の動きをルーティン(習慣)化しましょう。
- 電話を切った直後の「30秒清書タイム」をルーティン化する
- 自分にしかわからない言葉を他人が読める言葉に変換
- 緊急度・重要度に合わせて付箋やスタンプで視覚化する
この3ステップが、伝達ミスをゼロにします。
電話を切った直後の「30秒清書タイム」をルーティン化する
通話終了直後の30秒間が、最も記憶が鮮明なゴールデンタイムです。
受話器を置いてすぐに次の業務に移らず、殴り書きしたメモを他人が読める文字に整えましょう。
記憶が薄れる前に、略語や記号を補完して正式な記録に書き直します。
このわずかな手間を惜しまないことが、聞き間違いや忘却を防ぐ最大の防衛策となります。
自分にしかわからない言葉を他人が読める言葉に変換
通話中のメモは、自分だけが理解できる「暗号」で構いません。
重要なのは、その暗号を「誰が見てもわかる情報」として清書して共有することです。
事務が受けた電話を外回りの看護師に伝える場面が多くありますので、理解した内容を正しい日本語に変換し、伝言板やチャットに流すまでがプロの電話対応です。
緊急度・重要度に合わせて付箋やスタンプで視覚化する
清書したメモは、一目で優先順位がわかるように工夫しましょう。
緊急の往診依頼なら赤い付箋、急ぎでない報告なら青い付箋といったように、色分けするのが効果的です。
などのスタンプを活用するのも良いでしょう。
視覚化(目に見える形にすること)により、忙しい看護師が戻ってきた際に、どの案件から着手すべきか即座に判断できます。
まとめ
電話対応のメモが追いつかない悩みは、真面目に仕事に取り組んでいる証拠です。
すべての言葉を書こうとする完璧主義は、かえってミスを招く原因になります。
大切なのは、テンプレートの活用や略語の使用によって、書く手間を最小限に抑えることです。
今回紹介した方法を実践すれば、心に余裕が生まれ、相手の話に集中できるようになります。
まずは明日の電話で、一つだけ略語を使ってみることから始めてみてください。