訪問看護のスケジュールの組み方とは？無理なく組む方法を解説！

このような悩みにお答えします。

訪問看護のスケジュール管理は、利用者さんの安全とスタッフの働きやすさを決める重要な業務です。

適切にスケジュールを組めれば現場の混乱を防げ、質の高い看護サービスを提供できます。

本記事では、訪問看護のスケジュールの組み方について、考慮すべきことや無理なく効率的に行う方法を解説します。

訪問看護のスケジュールの組み方で考慮すべきこと

効果的にスケジュールを組むためには、以下のようにさまざまな要素を検討する必要があります。

これら4つの要素について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

訪問時間帯と利用者さんの希望

利用者さんの生活リズムやご家族の都合に合わせた訪問時間の設定により、満足度の高いサービス提供が実現できます。

訪問希望時間を調整する際は、利用者さんの服薬時間や食事時間、家族の在宅時間などを十分に考慮しましょう。

たとえばインスリン注射が必要な方の場合、食事前のタイミングで訪問する必要があります。

そのほか、朝・夕の希望が集中する際の分散の工夫については、以下のような対策が有効です。

スタッフの勤務シフトやスキル

看護師一人ひとりがもつ特性を最大限に活かしてスケジュールを組めれば、チーム全体の効率と質が大幅に向上します。

時短・パート職員の稼働時間を考慮する場合は、勤務時間の制約を把握したうえで、時間内で完結できる訪問を割り当てましょう。

また、新人には移動が少ないルートを割り当てるようにすれば、移動時間を短縮してケアに集中できる環境を作れます。

経験の浅い看護師には、まず近隣の利用者さんを担当してもらい、慣れてきたら徐々に訪問範囲を広げていくよいでしょう。

移動距離とルート効率

ルートを効率化できれば、移動の負担が軽減でき、時間を有効に活用できます。

同一エリア内の訪問をまとめることで移動時間を最小限に抑え、落ち着いて移動できるようになります。

具体的な方法としては、地図上で利用者さんの住所をプロットして、地理的に近い順番で訪問ルートを組み立てていきましょう。

移動にかかる時間と交通手段を見積もる際は、以下の要素を十分に考慮します。

緊急対応や変更に備えた余裕時間の確保

訪問の合間に余裕時間を確保できると、以下のような状況にも対応できます。

予定を詰めすぎてしまうとこうしたリスクに対応しきれず、次の利用者さんの訪問に遅れたり、看護師の精神的負担が増えたりしてしまいます。

可能であれば、各訪問の間に15〜20分程度の余裕時間を設けられるとよいでしょう。

訪問看護のスケジュールを無理なく組む方法

スケジュールを無理なく組む方法を主に以下の3つから解説します。

それぞれ見ていきましょう。

曜日や時間でルーティン化を意識する

同じ利用者さんについては「毎週同じ曜日・時間」でできるだけ訪問しましょう。

ルーティン化によって得られるメリットは以下のとおりです。

ただし、利用者さんの状態変化や家族の事情に応じて、柔軟な調整が必要な場合もあります。

キャンセル・変更が多い方は午後に設定する

朝一での訪問キャンセルは当日調整が困難であるため、変動要因のある訪問については後半に回しましょう。

以下のような利用者さんについては、午後の時間帯がおすすめです。

こうした方には午後に設定することで、午前中の訪問が順調に進んだ場合の時間調整や、他の利用者さんの緊急対応にも柔軟に対応できるようになります。

連携先とのスケジュール調整も前提にする

訪問看護は単独で完結するサービスではなく、他のさまざまなサービス事業者と連携しながら提供されます。

特にサービス担当者会議と訪問看護の時間が重ならないようにしましょう。

会議の日程が決まったら、その時間帯は訪問スケジュールから外し、必要に応じて他の日に訪問回数を調整します。

また、ご家族との面談や相談対応についても、事前に日程調整を行い、訪問看護のスケジュールと重複しないように配慮しましょう。

スケジュールを円滑に運用するためのルール

スケジュールを効率的に組むためには以下の2つのポイントを押さえておきましょう。

順番に解説します。

ダブルチェック・朝礼での全体共有

作成者以外による確認を必須とすることで、スケジュールの精度を高めて見落としを防げます。

ダブルチェックでは以下の項目を重点的に確認しましょう。

その日の注意点を共有する朝礼では、以下の情報を確実に伝達しましょう。

変更が出た場合の報告・記録のルール化

連絡手段を事前に決めておくことで、変更点を共有する際も漏れを防ぐことができます。

変更後は必ず更新済みのスケジュールを全員が確認できる状態にしましょう。

まとめ

訪問看護のスケジュールの組み方は「効率」と「安全性」のバランスを保つことが重要です。

無理なく訪問スケジュールを組めれば、スタッフの負担軽減・サービスの質向上にも直結し、利用者さんの満足度向上と事業所の安定運営にもつながるでしょう。

本記事で紹介した基本原則とコツを参考にして、効率的にスケジュールを組んでみてください。