という声は少なくありません。
特に訪問看護の事務職員は、報告書をはじめとした各種書類をFAXで送る場面があります。
しかし、事務職員として働き始めたばかりの人の中には、操作したことがない方もいます。
実際には、医療・介護業界ではFAXの利用が根強く、一般的に使用されている状況です。
そこで今回は、初心者でも失敗しないFAXの基本的な使い方とビジネスマナーを解説します。
読み終える頃には、自信を持ってFAX業務に取り組めるようになるでしょう。
目次
FAXの基本的な使い方
FAXの使い方は、送信前の準備と実際の送信操作の2段階に分かれます。
正しい手順を踏めば、初心者でも難しくはありません。
以下のポイントを押さえて、確実に送信できるようにしましょう。
1.送信前の準備をする
送信前には以下の準備をしておきましょう。
それぞれについて解説します。
①送付状
FAX送付状は、相手に送信内容と送信者を伝えるために必要なものです。
受信側が内容を把握できるように、必ず準備しましょう。
送付状には以下を記載します。
「誰から何の用件で何枚送られたか」が一目でわかるよう工夫しましょう。
緊急性がある場合は「至急」「要返信」などを明記し、相手の対応を促すことも大切です。
②送信原稿
送信原稿は文字が鮮明に読めるよう、十分な濃さと大きさで作りましょう。
FAXは画質が劣化しやすいため、元原稿の品質に送信結果が左右されます。
手書きの場合は黒いペンを使用し、文字サイズは通常より大きめに書きましょう。
コピーを重ねた原稿は避け、できるだけ原本を使用します。
複数枚送信する場合は、各ページに番号(1/3、2/3、3/3など)を記載し、受け手がわかりやすいように配慮しましょう。
2.送信する
準備が完了したら、FAXを送信します。
原稿のセットから送信完了確認まで、以下で解説しますので、参考にしてください。
①原稿をセットする
複合機の場合、ADF(自動原稿送り装置)と原稿台ガラスでセット方向が正反対になることがあります。
ADFでは原稿を上向きに、原稿台ガラスでは下向きにセットします。
原稿は左上を基準位置に合わせ、しわや折り目がないように平らにセットしましょう。
複数枚の場合はサイズを揃え、ページ順序を確認してからセットします。
②宛先のFAX番号を入力・確認する
FAX番号は送信前に必ず慎重に確認しましょう。
入力の際は市外局番から正確に入力し、ハイフンは省略します。
ビジネスフォン環境で「0発信」が必要な場合は、番号の最初に忘れず「0」をつけましょう。
誤送信は情報漏洩や相手への迷惑につながるため、指差し確認やダブルチェックを徹底し、電話番号との混同がないかも確認します。
頻繁に連絡する相手は事前に登録しておくと入力ミスを防げますが、定期的に最新情報に更新しておくのも忘れずに。
③スタートボタンを押す
すべての準備が完了したら、スタートボタンを押して送信します。
送信中は機器から離れず、エラー表示や異常音がないか確認しましょう。
送信には時間がかかる場合がありますが、途中でキャンセルしたり機器に触れたりすると送信失敗の原因となるため、完了まで待機してください。
複数枚送信の場合、1枚目が完了してから2枚目の読み込みが始まるため、すべての原稿が送信されるまで見守りましょう。
④送信結果レポートで完了を確認する
送信完了後は必ず結果レポートを確認し、正常に送信できたかどうかを確認します。
エラーが表示された場合は、原因を特定して再送信の準備をしてください。
「送信成功」と確認できたら、問題なく送信完了です。
失礼にならないFAXのビジネスマナー3選
FAX送信には守るべきビジネスマナーがあります。
相手に好印象を与えられるように、適切なマナーを心得ましょう。
1.必要に応じて送信前後の電話連絡をする
FAX送信には必ずしも電話連絡が必要なわけではありません。
ただし、以下の重要性や緊急性に応じて判断しましょう。
- 送信前の連絡:大量の枚数や機密情報を送る場合に行う
- 送信後の確認:重要書類や返信が必要な内容を送った際に行う
- 日常的な連絡:定期報告や一般資料の場合は不要と判断する
相手の業務を妨げないように、電話は必要最小限にとどめてください。
2.枚数が多い(5枚以上)原稿を送る際の配慮
5枚以上の原稿を送信する場合は、事前に相手の了承を得た方が無難です。
大量に送信すると相手のFAX機を占有し、他の重要な受信を妨げる可能性があります。
事前連絡では送信枚数、送信時刻、内容の概要を伝え、相手の都合が悪い場合は送信時刻を調整したり、複数回に分けて送信したりする配慮が必要です。
10枚を超える場合は、メールでの送信や郵送も検討しましょう。
相手の紙代とインク代への配慮も、ビジネスマナーの一環です。
3.送信してはいけない時間帯を押さえる(深夜・早朝・休日)
送信時間に配慮しましょう。
深夜(22時以降)、早朝(8時以前)、休日の送信は避けるべきです。
緊急で送る場合は送付状に理由を明記し、翌営業日に電話で補足するのがマナーです。
最適な送信時間は平日9時〜17時で、昼休み(12時〜13時)も避けるとより良いでしょう。
相手の勤務時間を意識し、迷惑にならないタイミングを選んでください。
まとめ
FAXの使い方は、正しい手順とマナーを身につければ決して難しいものではありません。
医療・介護現場では、FAXの使用が根強く残っており、さらに個人情報保護への配慮が不可欠です。
指差し確認やダブルチェック、必要に応じた電話での到着確認などを徹底し、大切な情報を守りましょう。