訪問看護指示書の返信用封筒や切手は誰が用意する?

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  • 「訪問看護指示書の依頼時に、返信用封筒は同封すべき?」
  • 「切手はどちらが負担?」

日々の事務業務の中で、このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

実は、制度上の解釈としては医療機関側が費用を負担すべきとされています

一方で、現場では慣習的にステーション側が返信用封筒を用意しているケースも多く、実態と制度のあいだにギャップが生じているのが現状です。

この記事では、制度上のルールを整理した上で、訪問看護指示書を発行する際の返信用封筒や切手に関する現場の実情についても丁寧に解説します。

目次

制度上の原則:郵送費用は医療機関が負担すべきとされている

厚生労働省保険局医療課は、平成24年3月30日付の疑義解釈通知(全都道府県向け)において、以下のように明示しています。

訪問看護指示書は、医師の診察に基づき、医師の責任において交付するものであるため、医師の所属する医療機関が準備し、その交付についても医療機関の責任において行うものである。

引用:「疑義解釈資料の送付について(その1)

この解釈をもとに、一部の医師会では会員医療機関に対して「返信用封筒や切手などの事務的費用は、原則として発行元である医療機関が負担すること」を改めて周知・通知しています。

また、医療機関は訪問看護指示書の発行によって「訪問看護指示料(300点)」を算定しており、発行に伴う事務的責任も医療機関側にあるという整理は、制度上一貫しています。

参考:疑義解釈資料の送付について(その1)/訪問看護指示書の発行(送付)について(再通知)

現場の実情:ステーション側が用意する慣習である現状

制度上の原則は上記のとおりですが、現場ではステーション側が返信用封筒を用意するケースが広く定着しています。

その背景には、いくつかの事情があります。

「費用負担」の明文規定が存在しない

厚労省の通知は「交付は医療機関の責任において行うもの」としていますが、郵送代や封筒代を具体的に誰が負担するかについての明文規定はありません

この曖昧さが、現場での混乱を招いてきた一因です。

医療機関側からの指定・慣習

一部の医療機関では、「依頼の際は切手を貼った返信用封筒を同封してください」とルール化しているところもあるかもしれません。

相手側から明示的に求められる以上、関係を円滑に保つために従ってきたステーションも多いのが実情です。

返送遅延を防ぐための実利的判断

数十円のコストを惜しんで返送が遅れれば、実務に影響しかねません。

ステーション側が主体的に封筒を用意することで返送をスムーズにするという、経営上の判断もあります。

こうした背景から、「制度上は医療機関が負担なのに」と感じながらも、現場では半ば当然のこととして定着してきた側面があります。

医療機関を責めるよりも、こうした構造的な慣習として生まれてきたものと理解するのが実態に近いでしょう。

ステーションとして今後どう対応するか

制度の原則を知った上で、実務的にどう動くかは各ステーションの判断になります。

新規の連携先には最初から原則を共有する

新規の連携先に対しては、最初から制度の原則を丁寧に伝えることで、費用負担の見直しを依頼できる場合もあります。

関係が始まる前であれば、お互いの認識をすり合わせやすく、自然な形でルールを共有できるでしょう。

既存の連携先とは焦らず対話を重ねる

既存の連携先については、長年の慣習を急に変えることで関係が悪化するリスクも否定できません。

関係性や相手の状況を考慮しながら、少しずつ話し合いの機会を設けるのが現実的です。

焦らず、信頼関係を大切にしながら対話を重ねていきましょう。

それでも封筒を用意する場合は「意識ある選択」として

どうしても返信用封筒を用意する場合でも、それは「制度上の正しい姿ではないが、円滑な連携のための実務対応」であるという認識を持った上で対応することが大切です。

慣習に流されるのではなく、制度上の原則を理解した上で選択している、という意識の違いが、今後の交渉や対話の土台になります

【実務マニュアル】迷わず準備できる!返信用封筒作成の方法

現状として返信用封筒を用意する場合に備え、正確かつ丁寧な準備ができるよう、実務上のポイントをまとめます。

サイズ選び:基本はA4三つ折りの「長形3号」

返信用封筒のサイズは、A4用紙を三つ折りにして入る「長形3号(長3)」が一般的です。

定形郵便で送れるためコストが抑えられ、医師のデスクでも扱いやすいサイズです。

A4サイズがそのまま入る「角形2号」は定形外となり料金が上がるため、特別な事情がない限り長形3号を選びましょう。

切手代の確認:2024年10月改定後は110円~

2024年10月1日より、長形3号などの定形郵便物は重量50gまで一律110円となりました。

旧料金(84円・94円)の切手が残っている場合は不足分を追加してください。

複数書類を同封して返送してもらう場合は50gを超えないよう注意が必要です。

宛名の書き方:印字+「行」をつける

自ステーションの住所・名称は手書きではなく事前に印字またはスタンプで準備しましょう。

敬称は「行」または「宛」とし、「御中」を最初から印刷するのはマナー違反です。

相手が返送時に「行」を消して「御中」に書き換えるのが一般的な作法です。

紙質と色:個人情報保護のための「透けない封筒」

訪問看護指示書には利用者の氏名・病名・住所など重要な個人情報が含まれます。

中身が透けないプライバシー保護封筒(地紋入りや二重構造のもの)を使用してください。

安価な茶封筒は光を透かすと中身が見える場合があり、医療情報のやり取りには不向きです。

裏面の記載:基本は不要、管理番号の活用も

裏面への記載は基本的に不要ですが、裏面の隅に管理番号や利用者名のイニシャルを鉛筆書きしておくと、開封前に「誰の指示書が戻ってきたか」を把握でき、事務効率が上がります。

個人情報の取り扱いには十分配慮してください。

医師が「即・返信」したくなる!書類封入時の3つの工夫

返信用封筒の「見せ方」や「整え方」によって、医師が返信するまでのスピードは大きく変わります。

多忙な医師や医療事務員の立場から見て「すぐに対応できる」と感じてもらえるかどうかが、指示書の返送遅延を防ぐコツです。

ここからは、少しの工夫で実践できる3つのテクニックをご紹介します。

送付状(依頼文)に返送を促す一文を入れる

指示書依頼の送付状には、単なる挨拶文だけでなく、返送アクションを具体的に促す一文を必ず入れましょう。

例えば以下のような表現が効果的です。

「ご多忙の折、大変恐縮ではございますが、同封いたしました返信用封筒にてご返送いただけますと幸いです」

このひと言があるだけで、医師や医療事務員は「書いて封筒に入れるだけでいいんだな」と直感的に理解でき、作業の優先度が上がりやすくなります。

逆に返送方法の記載がないと、「FAXで返せばいいのか」「直接渡すべきか」と迷わせてしまい、それだけで後回しになるリスクが生まれます。

また、依頼から何日以内に返送いただきたいかを柔らかく添えておくのも一つの工夫です。

「お手数ですが、〇週間を目安にご返送いただけますと助かります」

といった表現であれば、相手に失礼なく期日感を共有できます。

折り方と重ね順:開封した瞬間に「やるべきこと」が見える状態に

封筒を開けた際、最初に送付状が目に入るよう順序を工夫しましょう。

書類のタイトル部分が上に来るよう折ることで、広げなくても内容が把握できます。

クリアファイルで雨濡れ・紛失を防ぐ

書類一式をクリアファイルに入れてから封入しましょう。

郵送中の雨濡れや他の書類との混在を防げるだけでなく、「大切な書類を丁寧に扱っている」という姿勢を示すことにもなり、医療機関との信頼関係の構築にもつながります。

医療機関では毎日大量の郵便物が届きます。

クリアファイルに入っていない書類は、他の郵便物に紛れて後回しになったり、最悪の場合そのまま見落とされてしまうリスクもゼロではありません。

まとめ

訪問看護指示書の返信用封筒や切手については、制度上は医療機関が負担すべきというのが厚生労働省の解釈です。

一方で、現場では慣習的にステーション側が用意してきた経緯があり、それは関係構築や返送遅延防止という実利的な判断から来ているものです。

制度の原則を知った上で、連携先との関係性を大切にしながら、少しずつ正しい形に近づけていくことが理想です。

当面の実務対応としては、丁寧な封筒準備と工夫によって、医療機関との信頼関係を深めることがステーションの安定経営につながるでしょう。

  • 基本サイズは長形3号、宛名は印字済みのものを用意する
  • 送付状や折り方を工夫し、医師がすぐ返信できる状態を作る
  • 制度上の原則については、連携先と対話できる関係づくりを意識する

上記を念頭に対策してみてください。

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