- 「送信したはずのFAXが届かない…」
- 「急ぎの書類なのに、エラーが出てしまう…」
業務でFAXを利用していると、このようなトラブルに遭い、焦ってしまうことがありますよね。
重要な書類のやり取りの際にFAXが届かない原因がわからないと、業務に大きな支障をきたします。
今回は、FAXが届かない原因と対処法を状況別に解説します。
目次
FAXが届かない原因は「自分」「相手」「回線」のいずれか
FAXが届かない原因は、大きく分けて「自分(送信側)」「相手(受信側)」「電話回線」の3つに分類できます。
どこに問題があるのかを特定するために、以下の簡単な切り分けテストを行いましょう。
ステップ1.自分の固定電話から相手のFAX番号にかけてみる
まず、手持ちの電話機(FAX機に付いている受話器や別の固定電話)から、送信したい相手のFAX番号に電話をかけてみてください。
電話をかけた際の呼び出し音で、ある程度の状況が判断できます。
- 「プー、プー」という話し中の音:相手が通話中か、他のFAXを送受信中のため、時間を置いてかけ直しましょう
- 「ピーヒョロロロ」というFAX特有の受信音:相手のFAX機は正常に待機しており、自分側のFAX機や設定に問題がある可能性があります
- 呼び出し音が鳴り続ける:相手が電話に出ないか、FAXが自動受信設定になっていない可能性があります
- アナウンスが流れる:「現在使われておりません」などのアナウンスが流れたら、番号が間違っているか、廃止されています
ステップ2.相手のFAX機から自分のFAX機に送信してもらう
もし可能であれば、相手先にお願いして、テストで何か一枚FAXを送ってもらいましょう。
これで、自分側の受信機能が正常に動いているかを確認できます。
無事に受信できた場合は、あなたのFAX機の「受信機能」は正常です。
問題は「送信機能」や設定にあると特定できます。
一方、相手が送信してもこちらで受信できない場合は、自分側の受信機能や電話回線に問題がある可能性が考えられます。
この切り分けによって、調査すべき範囲をぐっと狭められます。
ステップ3.フローチャートで原因の所在を特定
ここまでのテスト結果をまとめると、以下のようになります。
- ステップ1で「ピーヒョロロ」音が鳴り、ステップ2で受信できた問題は「自分(送信側)」の可能性大。
- ステップ1で話し中や呼び出し音が鳴り続ける問題は「相手(受信側)」の可能性大。
- ステップ1で問題なく、ステップ2で受信もできない問題は「自分(受信側)」または「電話回線」の可能性大。
このように簡単なテストを行うだけで、闇雲に設定をいじる必要がなくなり、効率的に原因究明を進められます。
送信側の問題の場合
送信側の問題でFAXが届かない場合の原因と対処法を解説します。
1.番号の入力ミス・登録間違い
最も基本的で、多い原因が電話番号の入力ミスです。
送信先のFAX番号が正しいか、もう一度ゆっくりと確認してください。
特に、以下のようなケースは間違いやすいので注意しましょう。
市外局番や「0」発信が抜けている
同じ市内へ送るつもりで市外局番を省略してしまったり、会社の電話環境によっては外線にかけるための「0」発信(ゼロ発信)が必要な場合があります。
送信先の番号だけでなく、会社の電話のルールも再確認してみましょう。
手入力で送る際は、桁数が多いので押し間違いも起こりがちです。
一度クリアしてから、再度丁寧に入力し直してみてください。
短縮ダイヤルに登録した番号が古い・間違っている
よく送る相手先を「短縮ダイヤル」に登録している場合、その情報が古い可能性があります。
相手の事業所が移転してFAX番号が変わっていたり、そもそも登録した際の番号が間違っていたりするケースです。
一度短縮ダイヤルを使わずに、番号を手で直接入力して送信を試みてください。
もし手入力で送信できたら、短縮ダイヤルに登録されている情報が誤っているということなので、正しい番号で登録し直しましょう。
2.原稿のセット方法の間違い
FAXで送信する原稿のセット方法も、間違いやすいポイントの一つです。
複合機が原稿を正しく読み取れていないと、白紙のFAXが送られたり、エラーになったりします。
確認すべきは「向き」と「状態」です。
原稿の表裏・上下が逆になっている
送信したい面を「上」にするのか「下」にするのかは、複合機の機種によって異なります。
多くの機種では、原稿をセットする場所にイラストで正しい向きが示されています。
また、原稿の上下が逆になっていないかも確認しましょう。
一度送信に失敗した場合は、原稿を裏返してもう一度セットし直して送信を試してみてください。
いつも使っている複合機でも、うっかり間違えてしまうことはよくあります。
ビジケア訪問看護事務マガジン
FAXの向きはどっち?表裏・上下の正しい送り方を初心者向けに解説 | ビジケア訪問看護事務マガジン
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読み取り部分に汚れやシワがある
原稿を読み取るガラス面やセンサー部分に、ホコリやゴミ、修正液の跡などが付着していると、正しくスキャンできずにエラーとなることがあります。
読み取り部分を柔らかい布で優しく拭いて、きれいにしてみましょう。
また、送信する原稿自体がひどく折れていたり、シワだらけだったりすると、紙詰まりの原因にもなります。
できるだけきれいな状態の原稿を使用するか、一度コピーしてきれいな紙で送信するなどの工夫をしてみてください。
3.複合機本体の物理的な問題
複合機本体や、接続されているケーブル類に物理的な問題が発生しているケースもあります。
普段あまり触らない場所だからこそ、一度基本に立ち返って確認してみましょう。
電話線(モジュラーケーブル)が抜けている・断線している
複合機の背面にある「LINE」や「回線」と書かれた差込口から、壁のモジュラーコンセントまで繋がっている電話線(モジュラーケーブル)が、しっかりと刺さっているか確認してください。
掃除などで複合機を動かした際に、ケーブルが抜けかかってしまうことがあります。
一度抜いて、カチッと音がするまでしっかりと差し込み直してみましょう。
また、ケーブルが家具の下敷きになって断線していないかも見ておくと安心です。
受話器がきちんと置かれていない
FAX複合機に電話の受話器が付いている場合、これがきちんと所定の位置に置かれていない(半浮き状態になっている)と、回線が使用中と認識され、送信できません。
これは電話でいう「話し中」と同じ状態です。
受話器がガチャンと音を立てて、しっかりと本体に収まっているかを確認してください。
何気ないことですが、意外と見落としがちな原因の一つです。
4.複合機の設定ミス
複合機にはさまざまな機能があり、設定が原因でFAXが送れないこともあります。
特に、会社の通信環境が変わった際などに設定の変更が必要な場合があります。
発信元番号登録がされていない(ナンバーディスプレイ契約時)
お使いの電話回線でナンバーディスプレイを契約している場合、複合機側に自社のFAX番号を「発信元番号」として登録する必要があります。
この登録がされていない、あるいは間違っていると、相手先が「非通知拒否」設定をしている場合にFAXが届きません。
複合機の設定メニューから、発信元番号が正しく登録されているか確認し、もし未登録であれば設定しましょう。
設定方法は機種によって異なるため、取扱説明書を参照してください。
通信モードが速すぎる(IP電話網の場合)
近年、従来の電話回線(ISDN回線など)から、ひかり電話などの「IP電話網」へ移行したオフィスが増えています。
IP電話網とは、インターネット回線を利用した電話サービスのことです。
このIP電話網は、データの通信方式が従来と異なるため、FAXの通信速度が速すぎるとデータの取りこぼしが発生し、通信エラーが起きやすくなります。
複合機の設定で、FAXの通信モード(通信速度)を低速なもの(例:9600bps、ベーシックモード)に変更することで、通信が安定し、問題が解決する場合があります。
受信側の問題の場合
自分側の設定や操作に問題がない場合、原因は相手(受信側)にある可能性が高いです。
相手に失礼にならないように、丁寧な言葉遣いで「恐れ入りますが、FAXの受信状況をご確認いただけますでしょうか」と電話で連絡し、以下を確認してもらいましょう。
1.相手のFAX機が話し中または電源OFF
最も考えられるのは、相手のFAX機が他の通信で回線を使用している「話し中」の状態です。
他の事業所とFAXを送受信していたり、通話中だったりすると、こちらからのFAXは送信できません。
少し時間を置いてからかけ直すのが基本です。
また、診療所や小規模な事業所の場合、業務終了後にFAX機の電源を落としていることもあります。
営業時間内にあらためて送信するか、電話で電源を入れてもらうようお願いしてみましょう。
2.用紙切れ・インク(トナー)切れ
相手のFAX機が、印刷するための「用紙」や「インク(トナー)」が切れている状態だと、FAXを受信できません。
機種によっては、用紙やインクが切れると自動で受信を拒否するものや、一旦メモリに受信して後で印刷するものがあります。
相手先に状況を確認してもらい、もし消耗品が切れているようであれば、補充してから再度FAXを送らせてもらうよう伝えましょう。
これも非常に多く見られる原因の一つです。
3.メモリの容量がいっぱいになっている
FAX機には、受信したデータを一時的に保存しておく「メモリ」という機能があります。
用紙切れなどの際にFAXデータを受け取っておくための便利な機能ですが、このメモリにも容量の限界があります。
メモリがいっぱいになると、それ以上新しいFAXを受信できなくなってしまいます。
長期間、印刷されないままデータが溜まっている場合に起こりやすいです。
相手先に、メモリに溜まっている不要なデータを削除してもらうことで、受信できる状態になります。
回線や通信環境の問題の場合
自分側にも相手側にも特に問題が見当たらない場合、FAX機本体ではなく、その間をつなぐ「電話回線」や「通信環境」に原因があるかもしれません。
これはユーザー側では対処が難しい場合もありますが、原因として知っておきましょう。
1.電話回線自体に通信障害が起きている
落雷や設備の故障などが原因で、通信会社側で電話回線の通信障害が発生している可能性があります。
この場合、特定の地域一帯で電話やFAXが利用できなくなります。
まずは、契約している通信会社の公式サイトにある「故障・障害情報」のページを確認してみましょう。
もし障害が発生していれば、復旧を待つしかありません。
復旧するまでは電話で内容を伝えたり、メールを利用したりと、代替手段を検討する必要があります。
2.IP電話網への移行で通信が不安定になっている(ISDN回線終了問題)
近年、多くの企業で利用されてきた「ISDN回線」というサービスが2024年以降、段階的に終了し、ひかり電話などの「IP電話網」へ切り替わっています。
IP電話網はインターネット回線を使うため、従来の電話回線に比べて音声データを圧縮したり、パケットという単位に分割して送ったりします。
この仕組みが、データ通信の正確性が求められるFAXと相性が悪く、通信エラーの原因となることがあるのです。
もし最近、会社の電話回線を切り替えた記憶があれば、これが原因かもしれません。
対処法としては、前述の「通信モードを低速にする」設定が有効です。
まとめ
今回は、FAXが届かない原因と対処法について解説しました。
原因は、送信側、受信側、回線の問題とさまざまです。
もしうまく届かない場合は、本記事を参考に原因を探り、それぞれの対処法を試してみてください。