- 「訪問看護指示書の料金って、いくらかかるの?」
- 「指示書の料金はどこに払えばいいの?」
訪問看護のサービスを提供するためには、利用者さんの主治医が記載する『訪問看護指示書』が必要です。
そして医師が訪問看護を必要と判断し、指示書を作成することで、その対価として医療機関が報酬を受け取れる仕組みになっています。
しかし働き始めたばかりの事務員にとっては、料金や支払い先について利用者さんから急に問い合わせがあっても、とっさに答えられない場合もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、訪問看護指示書の料金について、わかりやすく解説します。
利用者さんからの問い合わせに対応できるためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
訪問看護指示書の料金はいくら?
訪問看護指示書にかかる料金は、『訪問看護指示料』として300点(3000円)を月に1回まで算定すると決められています。
実際に利用者さんが支払う金額は、その方の負担割合によって変わってきます。
以下が負担割合ごとに支払う料金です。
- 1割負担:300円
- 2割負担:600円
- 3割負担:900円
上記を病院やクリニックなどの医療機関窓口に支払います。
そもそも訪問看護指示書とは?
「そもそも訪問看護指示書が何だかわからない。料金が発生する仕組みは一体どのようになっているの?」
訪問看護ステーションで働き始めたばかりの事務員の中には、このような疑問をもつ方もいるのではないでしょうか。
ここからは、訪問看護指示書について以下の点を解説します。
それぞれ見ていきましょう。
訪問看護指示書の意味
訪問看護指示書とは簡単に言うと、医師が「この患者さんには自宅での看護が必要なので、訪問看護をお願いします」と、訪問看護ステーションに指示を出すための書類です。
訪問看護ステーションはこの指示書がなければ、利用者さんの自宅へ訪問して看護サービスを提供できません。
つまり、自宅で看護サービスを受けるために必須の書類となります。
料金が発生する仕組み
訪問看護指示書に料金が発生するのは、医師が利用者さんを診察し、専門的な知識に基づいて「訪問看護が必要だ」と判断し、指示書を作成することに手間と責任が伴うからです。
そして訪問看護指示書を発行してもらったら、利用者さん(またはそのご家族)が、発行した医師のいる病院やクリニックに料金を支払う必要があります。
繰り返しになりますが、支払い先は訪問看護ステーションではなく、医療機関の窓口です。
あくまで指示書を発行した医師(病院やクリニック)に支払う、ということを覚えておいてください。
利用者さんから問い合わせがあったときには、迅速に答えられるようにしておきましょう。
訪問看護指示書の料金に関する質問
訪問看護指示書の料金について、利用者さんからさまざまな質問を受けることがあります。
よくある質問とその回答例は次のとおりです。
訪問看護ステーションの事務員として自信をもって答えられるように、しっかりチェックしておきましょう。
- 訪問看護指示書の料金と訪問看護の利用料金の違いは何ですか?
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訪問看護指示書の料金は、医師が訪問看護の必要性を記載した指示書にかかる料金のことで、発行した医師のいる病院やクリニックなどの医療機関に支払われます。
一方で訪問看護の利用料金は、実際に訪問看護サービスを提供する訪問看護ステーションに支払うものです。
たとえば、看護師が行う服薬管理や排泄介助、理学療法士等が行うリハビリなどの料金があります。
訪問看護の利用料金は、利用者さんが利用している保険の種類(医療保険や介護保険)によって異なります。
どの保険を使っていても「訪問看護の利用料金」は、必ずサービスを提供してくれた訪問看護ステーションに支払う、ということを覚えておきましょう。
「医療保険を使っているから、病院に払えばいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、「利用したサービスの事業所に支払う」という原則を丁寧に説明することが大切です。
- 訪問看護指示書の料金は毎月発生しますか?
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いいえ、毎月必ず発生するわけではありません。
訪問看護指示書の料金は、医師に指示書を書いてもらった月、つまり指示書が発行された月に1回だけ支払います。
指示書には有効期間があり、1ヶ月~最長6ヶ月です。
「最長で6ヶ月の指示が出ていれば、毎月料金が発生して最長で6回支払うの?」と思う方もいるかもしれませんが、発行した月に1回支払うのみです。
- 複数の訪問看護ステーションを利用する場合、それぞれのステーションに指示書が必要ですか?
料金はどうなりますか? -
複数のステーションを利用する場合は、それぞれの事業所に対して指示書が発行されますが、利用者さんは発行してもらった月に1回だけ医療機関に支払います。
- 今入院中ですが外泊することになりました。
外泊中に訪問看護を利用しますが、指示書の料金はいつ支払えばいいですか? -
入院中の外泊時に訪問看護指示書が発行された場合は、退院するときに支払います。
また、退院後にも訪問看護が必要と医師が判断し、外泊後に再度指示書を出したとしても、入院中に発行された指示書にかかる料金は退院時に1回のみ支払えば大丈夫です。
訪問看護指示書の料金をわかりやすく伝えるコツ
訪問看護指示書の料金は、訪問看護の利用料金とまぎらわしく利用者さんが混乱しやすいため、できるだけわかりやすく伝えましょう。
専門用語を避け、誰にでも理解できることばで伝えることが大切です。
もし料金についてステーションに問い合わせがあった場合は、以下のように伝えるとよいでしょう。
訪問看護指示書というのは、主治医が「訪問看護を実施してください」と私たち訪問看護ステーションに指示をする書類のことです。
この書類がないと、私たち訪問看護ステーションの職員は、〇〇様のご自宅に伺って看護をすることができません。
この指示書を発行してもらった場合は、主治医のいる病院やクリニックに料金を支払う必要があります。
訪問看護ステーションに払っていただく料金とは異なりますので、ご注意ください。
料金は月に1回、3,000円ですが、実際に窓口でお支払いいただく金額は、医療保険の負担割合によって変わってきます。
1割負担なら300円、2割負担なら600円、3割負担なら900円になります。
このように、できるだけ具体的に、そして丁寧に説明することを心がけましょう。
そして何よりも大切なのは、利用者さんやご家族が、安心して質問できる雰囲気をつくることです。
「何かわからないことがあれば、いつでもご連絡いただければと思います」
このような優しい一言を添えるだけで、相手の不安は和らぎ、信頼関係を築けるでしょう。
ぜひ上記のように説明してみてください。
まとめ
今回は、訪問看護指示書の料金について解説しました。
- 訪問看護指示書の料金は、訪問看護ステーションではなく、主治医がいる病院やクリニックに支払われる
- 3,000円に対し、1~3割の自己負担に応じた料金を支払う
- 訪問看護の利用料金は訪問看護ステーションに支払う
これらのポイントを押さえ、利用者さんからの問い合わせに対応できるようにしておきましょう。