「訪問看護指示書、いつどのタイミングで依頼すればいいの?」「依頼したのに返ってこない……催促していいの?」——訪問看護ステーションの事務担当者にとって、指示書の依頼は日常業務の中でも特に気を遣う場面です。相手は多忙な医療機関の医師であり、依頼のタイミングを誤ると訪問看護の提供自体ができなくなってしまうこともあります。
この記事では、訪問看護指示書の基礎知識を整理したうえで、事務員が依頼する3つのタイミングと、依頼から保管までの実務フロー、現場でつまずきやすいポイントを解説します。
この記事でわかること
- 訪問看護指示書とは何か・記載内容と有効期間
- 事務員が指示書を依頼する3つのタイミング
- 依頼時につまずきやすい3つのポイント
- 依頼から保管までの実務フロー
目次
訪問看護指示書とは?事務員が知っておくべき基礎知識
そもそも訪問看護指示書がないと、訪問看護ってできないんですか?
そのとおりです。指示書は訪問看護提供の大前提となる書類なんですよ。
訪問看護の提供に必須の書類
訪問看護指示書は、利用者の主治医が発行する書類で、指定訪問看護事業者は利用者の主治医が発行する訪問看護指示書または精神科訪問看護指示書の交付を受けなければ訪問看護を開始できません。主治医以外の複数の医師から指示書を受けることもできないとされています。
記載内容と有効期間
指示書には、利用者の病状や必要な看護・リハビリテーションの内容、留意事項などが記載されます。有効期間は主治医が定めますが、最長6ヶ月とされており、この期間内に行った訪問看護でなければ訪問看護基本療養費を算定できません。有効期間の考え方や更新のタイミングについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
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指示書の有効期間の詳細や更新タイミングによる請求への影響は、こちらの記事で解説しています。
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事務員が指示書を依頼する3つのタイミング
1. 新規利用者を受け入れるとき
新たに訪問看護の利用を開始する際は、必ず主治医から指示書の交付を受ける必要があります。利用申込者が指示書の交付を受けずに利用の申込みを行った場合は、指定訪問看護事業者が主治医の指示書の交付を受けるよう案内することになっています。
2. 指示書の更新時期を迎えるとき
指示書には有効期間があるため、切れる前に次回分を依頼する必要があります。有効期間が切れた状態で訪問看護を継続すると、その期間分は訪問看護療養費・介護報酬の算定ができなくなるおそれがあるため、更新依頼のタイミング管理は特に重要です。
3. 利用者の状態が変化したとき
症状の急性増悪などにより、通常の指示書の内容を超えて頻回な訪問看護が一時的に必要になった場合は、特別訪問看護指示書の交付を主治医に依頼します。特別訪問看護指示書は交付の日から14日以内の訪問看護について、14日を限度に算定できるとされ、原則として月1回の交付に限られます。ただし、気管カニューレを使用している状態や真皮を越える褥瘡がある状態など、厚生労働大臣が定める利用者に限り、月2回まで交付を受けることができます。
POINT
特別訪問看護指示書は「一時的に頻回な訪問看護が必要」な場合に交付されるものであり、恒常的・機械的に交付を依頼することは望ましくないとされている点に注意が必要です。
依頼時に事務員がつまずきやすい3つのポイント
依頼するタイミングはわかりました。でも実際にやってみると、うまくいかないことが多くて……
ありがちな3つのつまずきポイントを押さえておきましょう。
更新依頼のタイミングを逃してしまう
有効期間の管理を担当者の記憶だけに頼っていると、依頼を忘れたまま期限が近づいてしまうことがあります。利用者ごとの有効期間を一覧化し、期限の1〜2週間前に依頼を開始できる仕組みを作っておくと安心です。
複数の医療機関・主治医との調整が煩雑になる
利用者ごとに主治医や医療機関が異なるため、依頼先の連絡先・担当窓口・提出書式が事業所によってばらばらになりがちです。依頼先ごとの連絡先や過去のやり取りを記録として残しておくと、担当者が変わっても対応がスムーズになります。
返信までの期限管理ができていない
依頼状を送っても、医療機関側の事務処理の都合ですぐに返信が来るとは限りません。返信用封筒を同封する際のマナーや、催促のタイミングについては、以下の記事も参考にしてください。
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返信用封筒・切手の準備について迷ったら、こちらの記事もあわせてご覧ください。
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指示書依頼の実務フロー
新規受け入れ・更新のいずれの場合も、基本的な流れは共通しています。
- 依頼先の連絡先・担当窓口を確認する医療機関の地域連携室や医事課など、指示書関連の窓口を確認する。
- 依頼状を作成する利用者氏名・生年月日、訪問看護開始(または継続)予定日、返信期限、事業所の連絡先を明記する。
- 返信用封筒を同封して郵送する切手を貼付した返信用封筒を同封し、依頼状とともに郵送する。
- 受領後、有効期間・記載内容を確認する届いた指示書の有効期間、看護・リハビリテーションの内容に不明点がないかを確認する。
- 訪問看護計画書を作成し、記録・保管する指示書の内容を踏まえて訪問看護計画書を作成し、指示書とあわせて記録として保管する。指定訪問看護に関する記録は完結の日から2年間保存する必要がある。
注意
指示書、訪問看護計画書、訪問看護報告書はいずれも定められた記録として整備・保存が必要な書類です。指示書だけを確認して終わりにせず、計画書・報告書とあわせたセットで記録管理する意識を持ちましょう。
指示書の有効期間の下限は決まっていますか?
有効期間の上限は最長6ヶ月と定められていますが、下限について明確に定めた記載は確認できませんでした。実務上は主治医の判断で1〜3ヶ月程度に設定されるケースが多い運用ですが、期間は依頼先の医療機関に確認するのが確実です。
指示書の依頼は誰が行うべきですか?
訪問看護ステーションの事務担当者が窓口となって依頼するケースが一般的ですが、事業所によってケアマネジャーが中心になる場合もあります。依頼者の役割分担については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
特別訪問看護指示書は誰でも月2回もらえますか?
原則として月1回に限られており、月2回の交付が認められるのは、気管カニューレを使用している状態や真皮を越える褥瘡がある状態など、厚生労働大臣が定める利用者に限られます。
指示書が期限内に届かない場合はどうすればよいですか?
まずは依頼先の医療機関に状況を確認し、発行の見込み時期を確認します。有効期間内に指示書がない状態で訪問看護を継続すると算定に影響する可能性があるため、早めの催促と主治医・ケアマネジャーとの情報共有が重要です。
まとめ|依頼のタイミングと手順を仕組み化する
訪問看護指示書の依頼は、新規受け入れ・更新・状態変化という3つのタイミングで発生し、いずれも訪問看護の提供と請求の可否に直結する重要な業務です。
この記事のまとめ
- 指示書は訪問看護提供の大前提となる書類で、有効期間は最長6ヶ月
- 依頼のタイミングは「新規受け入れ」「更新時期」「状態変化」の3つ
- 更新忘れ・複数医療機関との調整・返信期限の管理がつまずきやすい
- 依頼先確認から記録・保管までの流れを仕組み化しておくと抜け漏れを防げる
まずは利用者ごとの有効期間を一覧で管理できる仕組みから見直してみてください。
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