訪問看護のクレーム対応例文が知りたい
このような悩みにお答えします。
訪問看護の事務員は、クレーム対応に関わる場面が多々あります。
適切な対応ができれば信頼関係が築け、サービス向上にもつなげられます。
しかし、いざクレーム対応をするとなると、どのような話し方をすればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、訪問看護のクレーム対応の例文と、押さえておきたいポイントを紹介します。
クレーム対応は難しいと感じるかもしれませんが、基本を押さえれば適切に対応できます。
訪問看護の事務員として、ぜひ現場での対応に役立ててください。
目次
訪問看護のクレーム対応で大切なこと
訪問看護におけるクレーム対応では、利用者さんやご家族の気持ちに寄り添うことが何よりも重要です。
特に事務員は最初の窓口となる場合が多く、その対応がステーション全体の印象を左右します。
クレーム対応の基本として、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 傾聴の姿勢を見せる
- すぐに反論せず受け止める
- 解決策を冷静に伝える
これらのポイントを意識すればクレームに適切に対応でき、信頼関係の構築につながるでしょう。
クレーム対応の基本的な考え方や流れについては、以下の記事で解説しています。
ビジケア訪問看護事務マガジン
訪問看護のクレーム対応とは?事務員が知っておきたいポイントを解説! | ビジケア訪問看護事務マガジン
「訪問看護の事務員として、クレーム対応にどう向き合えばいいのだろう?」 「適切な対応方法がわからず、いつも不安だ」 訪問看護ステーションの事務員は、利用者さんやご…
傾聴の姿勢を見せる
クレーム対応の第一歩は、相手の話を最後まで丁寧に聞くことです。
途中で言い訳や反論を挟まず、「話を受け止める姿勢」を明確に示すことが重要です。
- 「おっしゃる通りです」
- 「ご心配をおかけして申し訳ございません」
といった、相手の話に耳を傾けていることを示すことばを適宜挟みましょう。
メモを取りながら聞くことで、「あなたの話をしっかり記録している」という姿勢を示せます。
また、電話でのクレーム対応では声のトーンや間の取り方にも気を配り、焦らずゆっくりと対応することが大切です。
すぐに反論せず受け止める
クレームを受けたとき、「それは違います」「そうではありません」とすぐに反論したくなる気持ちをグッとこらえましょう。
まずは相手の感情を受け止めることで、クレームの感情的な部分を落ち着かせる効果があります。
- 「そのように感じられたこと、重く受け止めております」
- 「ご不便をおかけして申し訳ありません」
このような共感のことばを添えることで、相手は「理解してもらえた」と感じ、冷静になりやすくなります。
事実誤認があったとしても、まずは受け止めてから、落ち着いた状態で事実確認を行いましょう。
相手の感情を否定せず、一度受け止めておくと、その後の対応がスムーズになるでしょう。
解決策を冷静に伝える
クレームの内容を十分に聞き、受け止めた後は事実確認をしたうえで、対応策や再発防止策を冷静に伝えましょう。
この際、感情的にならず、わかりやすいことばを使うことがポイントです。
- 「〇〇の件について確認したところ、△△であることがわかりました」
- 「今後は××のように対応させていただきます」
といった、明確なことばで伝えることが重要です。
また、すぐに解決できない問題の場合は、「〇〇日までに調査してご連絡します」など、具体的な期限を示して相手に安心感を与えましょう。
約束したことは必ず守り、期限内に連絡するよう心がけることが大切です。
訪問看護のクレーム対応例文集
訪問看護の現場でよく発生するクレームには、以下のようなものがあります。
- 訪問時間の遅れ
- サービス内容への不満
- スタッフの対応
- 請求・料金に関するもの
それぞれの状況に応じた対応例文を、ポイントとともに紹介します。
これらの例文を参考にしながら、実際の状況に合わせてアレンジして使いましょう。
訪問時間の遅刻のクレームへの例文
「○○様、本日は訪問時間に遅れが出てしまい、大変申し訳ございませんでした。前の訪問先で予想以上にお時間をいただいてしまい、ご連絡が遅れたことも重ねてお詫び申し上げます。今後はスケジュール管理を徹底し、万が一遅れが生じる場合は、早めのご連絡を心がけてまいります。何かご不明な点がございましたら、いつでもお申し付けください」
ポイントは以下のとおりです。
- 具体的な遅れの理由を簡潔に説明する
- 連絡の遅れにも触れ、二重に謝罪する
- 再発防止策を明確に伝える
- 今後の対応についての不安を取り除く
サービス内容へのクレームへの例文
「○○様、このたびはサービス内容にご不満を感じさせてしまい、誤解を生じさせてしまったことをお詫び申し上げます。ご指摘いただいた点について、真摯に受け止めております。あらためてご契約内容を確認し、期待されているサービスと実際に提供しているサービスにずれがないか、整理させていただきたいと思います。改めて詳しくお話を伺い、○○様のご要望に沿ったサービスを提供できるように努めてまいります。今後も何かご不明な点やご要望がございましたら、遠慮なくお申し付けください」
ポイントは以下のとおりです。
- 不満や誤解に対して率直に謝罪する
- 冷静な事実確認を行う姿勢を示す
- 今後も相談しやすい関係性を維持する
看護師の対応へのクレームへの例文
「○○様、当ステーションの職員の対応でご不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げます。このようなお気持ちにさせてしまったこと、大変申し訳ございません。いただいたご指摘は真摯に受け止め、担当職員と実際に相談を行い、改善に努めてまいります。○○様に安心してサービスをご利用いただけるよう、スタッフ全体で接遇の見直しと教育を行ってまいります。今後とも率直なご意見をいただければ幸いです」
ポイントは以下のとおりです。
- 相手の感情を否定せず、謝罪の気持ちを伝える
- 組織として取り組む姿勢を示す
- 今後の関係改善への意欲を示す
請求・料金に関するクレームへの例文
「○○様、請求内容にご不明点があったとのこと、大変失礼いたしました。ご心配をおかけして申し訳ございません。内容を再確認し、明確にご説明させていただきますので、お時間をいただければ幸いです。具体的には、○月○日の訪問では××のサービスを提供させていただき、保険適用後の自己負担額が△△円となっております。今後は毎月の請求書に詳しい内訳を添付するなど、わかりやすい説明を心がけてまいります。ご不明な点がございましたら、いつでもお問い合わせください」
ポイントは以下のとおりです。
- 明確・簡潔に説明する
- 具体的な数字や日付を示して説明する
- 今後の改善策を提示する
- いつでも相談に応じる姿勢を示す
クレーム対応例文を使うときの注意点
上記の例文は、あくまでも基本的な対応の参考として使ってください。
実際のクレーム対応では、状況や相手によって臨機応変な対応が必要です。
例文を活用する際の注意点について、以下で詳しく説明します。
原文ママで読まず状況に応じてアレンジする
例文はあくまで参考です。
そのまま暗記して読み上げるのではなく、相手の状況や感情を見ながら、自分のことばに置き換えて伝えることが大切です。
特に感情的になっている方には共感のことばを多めに使い、相手の気持ちが落ち着いてから具体的な対応を説明するなど、状況に応じたことば選びを心がけましょう。
また、例文の中で当てはまらない部分は省略したり、追加すべき情報があれば付け加えたりするなど、柔軟にアレンジすることが大切です。
自然な対話の中で相手に誠意が伝わるように、例文を自分のものにして使いこなしましょう。
相手に合わせたことば選びを意識する
利用者さんやご家族のことばづかいや雰囲気に合わせ、無理のない柔らかい表現を心がけましょう。
たとえば高齢の方には専門用語を避けてわかりやすいことばで説明する、声のトーンを穏やかにする、などの配慮が必要です。
また、何度も同じ説明を求められる場合は「お伝えしにくくて申し訳ありません」と謝罪したうえで、異なる言い回しで説明し直しましょう。
このように、相手の状況に合わせた対応が重要です。
また、字を大きく書いたメモを渡す、後日改めて詳しい説明資料を送付するなどの対策もおすすめです。
まとめ
今回は、訪問看護のクレーム対応例文を紹介しました。
クレーム対応で最も大切なのは、例文やマニュアルを超えて、相手に誠実に向き合う姿勢です。
小さな対応の積み重ねが、訪問看護ステーション全体の信頼につながります。
この記事で紹介した基本ポイントと例文を参考にしながら、現場の状況に応じた対応を心がけましょう。