クレーム対応で名前を聞かれたら、どう答えるのが正解か分からず、頭が真っ白になってしまう方もいるでしょう。
相手との関係性を考えると、対応に一層気を使うものです。
今回は、「クレーム対応中に名前を聞かれたらどうしよう」と不安になっている訪問看護の事務員に向けて、冷静・誠実に対応するための具体的な方法を解説します。
目次
クレーム対応で名前を聞かれたとき対応例文5選
まずは、現場ですぐに使える会話の例文を5つのシチュエーションに分けて紹介します。
いざというときに言葉に詰まらないように、ぜひ参考にしてください。
1.基本の対応:誠意を伝えつつ名字を名乗る場合
相手が比較的冷静で、純粋に担当者を知りたいという意図が感じられる場合の基本的な対応です。
誠実な謝罪の言葉と共に、責任をもって対応する意思を示しましょう。
相手「あなたの名前は何ですか?」
あなた「大変失礼いたしました。わたくし、担当の〇〇(名字)と申します。〇〇様のお話を詳しくお伺いし、責任をもって対応させていただきます」
このように、ただ名乗るだけでなく「私が対応する」という一言を添えるのがポイントです。
2.断る場合:角を立てずに会社のルールを伝える場合
個人情報の開示に不安がある場合や、会社の規定で禁じられている場合は、丁寧にお断りする必要があります。
ポイントは、ただ拒絶するのではなく、代替案を示して相手の不満を和らげることです。
相手「あなたのフルネームを教えてください」
あなた「大変申し訳ございません。弊社の個人情報保護の方針により、お伝えできるのは名字のみとなっております。ですが、わたくし〇〇(名字)が最後まで責任をもって対応いたしますので、ご安心ください」
「できません」と突き放すのではなく、「会社のルール」という客観的な理由を伝え、そのうえで「責任をもつ」という姿勢を見せましょう。
3.しつこくフルネームを聞かれた場合の切り返し方
名字を伝えても、さらにフルネームや個人情報をしつこく要求される場合の対応です。
ここでは、毅然とした態度と変わらぬ誠実な姿勢の両立が求められます。
相手「名字だけじゃダメだ、フルネームを言いなさい!」
あなた「重ねて申し訳ございませんが、社内の規定でお伝えできる範囲が決まっております。何卒ご理解いただけますと幸いです。ですが、この件に関しましては、担当〇〇(名字)として、私が責任をもって最後までご対応することをお約束いたします」
相手の感情に引きずられず、冷静にかつ、丁寧に同じ説明を繰り返します。
そして、あくまで問題解決に向けて取り組む姿勢を強調することが重要です。
4.役職や部署名を聞かれた場合の伝え方
名前と合わせて、役職や所属部署を聞かれることもあります。
これは、相手が組織のどこに問題を伝えているのかを把握したいという心理の表れです。
基本的には、正直に伝えて問題ありません。
相手「あなたの所属部署と名前を教えてください」
あなた「かしこまりました。わたくし、事務の〇〇(名字)と申します。本日はどのようなご用件でいらっしゃいますでしょうか」
所属を明らかにすることで、相手は「正式な窓口に話が伝わっている」と認識できます。
隠す必要のない情報は、素直に開示する方が話はスムーズに進むでしょう。
5.担当者名ではなく「責任者を出せ」と言われた場合
話がこじれてしまい、「あなたでは話にならない。責任者を呼んでこい」と要求されるケースです。
基本的にはできる範囲で事務職員が対応すべきですが、どうしても難しい場合は上司に報告し、対応を引き継ぎましょう。
お客様「もういい、責任者と話す!」
あなた「お気持ちお察しいたします。ご納得いただけるご説明ができず、大変申し訳ございません。ただいま責任者に申し伝えますので、少々お待ちいただけますでしょうか」
ここで重要なのは、相手の要求を真摯に受け止め、スムーズに上司へつなぐことです。
感情的な抵抗はせず、組織として対応する姿勢を見せることが、事態の収束につながります。
クレーム対応において、上司や責任者を出すように言われた場合の適切な対応は「上司を出せとクレーム対応で言われたときの対応法を解説!」も参考にしてください。
ビジケア訪問看護事務マガジン
クレーム対応で「上司を出せ!」と言われたときの対応法を解説! | ビジケア訪問看護事務マガジン
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名前を聞かれたときにやってはいけない3つの対応
良かれと思ってとった行動が、かえって事態を悪化させてしまうことがあります。
クレーム対応で名前を聞かれた際に、やってはいけないNGな対応を3つ紹介します。
これらの行動は信頼を失い、問題をさらに大きくする原因となるため、必ず避けましょう。
1.嘘の名前や偽の情報を伝える
その場しのぎで偽名を使ったり、違う部署の名前を伝えたりするのは、絶対にしてはいけません。
嘘が発覚した場合、個人としてだけでなく、事業所全体の信頼を失うことになります。
一度失った信頼を取り戻すのは、非常に困難です。
クレームの内容以前に、「嘘をつかれた」という事実が、相手の怒りを増幅させてしまいます。
どんなに厳しい状況であっても、誠実さを失ってはいけません。
正直な対応が、最終的に自分と組織を守ることにつながります。
2.感情的に反論したり無言になったりする
相手から威圧的な態度をとられると、つい感情的になったり、恐怖で何も言えなくなったりすることがあります。
しかし、感情的な対応は、相手の怒りに油を注ぐだけです。
「なぜあなたに名前を教えなければいけないのですか!」と反論したり、質問を無視して黙り込んだりするのは最悪の対応です。
相手は「馬鹿にされた」「無視された」と感じ、さらに攻撃的になる可能性があります。
深呼吸をして冷静さを保ち、あくまで丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
3.安易に個人情報を教える
誠実に対応しようとするあまり、求められるままに連絡先などの個人情報を教えてしまってはいけません。
一度開示してしまった個人情報は、後から取り消すことができません。
善意の利用者ばかりとは限らないことを念頭に置き、自分自身の安全を守るためにも、開示すべき情報の線引きは明確にすることが大切です。
会社のルールに従い、必要以上の情報は伝えないようにしましょう。
クレーム対応の名前に関するよくある質問
ここからは、クレーム対応で名前を聞かれた際によくある質問を紹介します。
- 名札にフルネームが書いてある場合はどう対応する?
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名札で相手に名前が見えている場合は、隠したり嘘をついたりせず、正直に認めるのが誠実な対応です。
相手から「名札に〇〇と書いてあるね」と指摘されたら、「はい、わたくし〇〇(フルネーム)と申します」と潔く名乗りましょう。
そのうえで、「何かお困りごとがございましたら、わたくし〇〇が承ります」と、真摯に対応する姿勢を見せてください。
名札の表示ルールについては、一度事業所内で見直しを検討しても良いかもしれません。
- 相手が「名前を言わないなら話にならない」と強硬な場合は?
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まずは相手の感情を受け止め、冷静に対応することが大切です。
それでも相手が納得しない場合は、無理に一人で解決しようとせず、上司に対応を代わってもらいましょう。
「お名前をお伝えできず、大変心苦しいのですが、会社の決まりでございまして…。もしよろしければ私の上長に代わりますが、いかがでしょうか」と、上司への引き継ぎを提案するのが有効です。
組織として対応する姿勢を示すことで、相手も少し冷静になる可能性があります。
- クレーム対応後は上司に報告すべき?
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はい、どんな些細なクレームであっても、必ず上司に報告してください。
報告はあなた自身を守るため、そして事業所全体で問題を共有し、再発防止につなげるために不可欠です。
「名前を聞かれた」「このような対応をした」という事実を正確に記録し、報告することで、後からトラブルに発展した場合でも組織として適切に対応した証拠になります。
一人で抱え込まず、情報の共有を徹底しましょう。
まとめ
今回は、クレーム対応で名前を聞かれた際の具体的な会話例文について解説しました。
クレーム対応中に名前を聞かれると、誰でも不安になり、焦ってしまうものです。
しかし、具体的なフレーズを準備しておけば、冷静に対応できます。
重要なのは、誠実な姿勢を見せつつも、自分自身の安全を確保するための線引きを忘れないことです。
「会社の担当者」という立場を意識し、一人で抱え込まずに組織として対応することを心がけてください。