「さっきポストに入れた郵便物、もしかして料金不足かも!?」
と気づいた瞬間、冷や汗が止まらなくなりますよね。
訪問看護の事務職員は、利用者さんの個人情報に関わる書類を取り扱うこともあります。
大事な書類であれば、「相手に失礼があってはならない」と焦るのは当然のことです。
今回は、切手の金額が足りないとどうなるのか、不安になっている方へ向けて、正しい対処法を解説します。
目次
切手が足りないとどうなる?
切手が足りないと、投函したポストを管轄する郵便局(引受局)で料金不足が発見され、かつ差出人の住所氏名が記載されている場合はすぐに返送されます。
相手に知られずに済むため、最もトラブルが少ない「不幸中の幸い」と言えるパターンです。
郵便物には「料金不足」と書かれた付箋やスタンプが押され、数日中にオフィスのポストに戻ってきます。
不足分の切手を貼り足して再投函すれば問題ありません。
まずは数日間、ポストをこまめに確認しましょう。
切手が足りず返送された場合の正しい出し直しの方法
料金不足で自分の手元に戻ってきた郵便物は、正しい手順で処理すればそのまま再利用できます。
封筒を書き直す必要はありませんが、再投函にはいくつかのルールがあります。
慌ててそのままポストに入れないように、以下の手順を確実に実行してください。
- 不足分の切手を追加で貼り足す
- 「不足分貼付」などの赤いスタンプ・記載を二重線で消す
- そのままポストへ再投函するか、不安な場合は窓口へ出す
それぞれ解説していきます。
1.不足分の切手を追加で貼り足す
まず、返送された郵便物に記載されている「不足金額」を確認します。
すでに貼ってある切手は有効ですので、足りない金額分の切手を新しく購入し、追加で貼ってください。
たとえば、110円必要な封筒に84円切手が貼ってあり「26円不足」となっていれば、26円分の切手を貼ります。
切手を貼るスペースがない場合は、宛名が見えなくならない範囲であれば、封筒の裏面や空いているスペースに貼っても問題ありません。
古い切手を剥がす必要はないので、そのまま活用しましょう。
2.「不足分貼付」などの赤いスタンプ・記載を二重線で消す
返送された郵便物には、郵便局員が押した「料金不足」や「不足分〇〇円」といった赤いスタンプや付箋が付いています。
これらをそのままにして再投函すると、再度返送されたり混乱を招いたりする原因になります。
付箋であれば剥がし、封筒に直接スタンプが押されている場合は、赤ペンや黒ペンで二重線を引いて消してください。
さらに、二重線の近くに「不足分貼付」や「再提出」と赤字で書き添えておくと、郵便局員にも伝わりやすく、よりスムーズに配達されます。
3.そのままポストへ再投函し、不安な場合は窓口へ出す
不足分の切手を貼り、スタンプを消したら準備完了です。
基本的にはそのまま郵便ポストへ投函して構いません。
しかし、もし「また計算を間違えていたらどうしよう」「本当にこれで届くのか不安」と感じる場合は、郵便局の窓口へ持ち込むのが確実です。
「料金不足で戻ってきたので、不足分を貼りました。重さを確認してください」
と窓口で伝えれば、その場で正確に計量してくれます。
二度目のミスは許されないビジネス書類などは、窓口出しを強くおすすめします。
切手が足りないのに相手に届いてしまった場合の対応
切手が足りず、万が一相手に不足料金を払わせてしまった場合の対応を解説します。
これは単なるミスではなく、相手に金銭的・時間的な負担を強いる行為であるため、以下の手順で誠実に対応しましょう。
- 不足が判明した時点で、到着前に速やかに連絡を入れる
- 相手に不足分を払わせてしまったことを真摯に詫びる
- 不足分を返金・弁済する
それぞれ解説していきます。
1.不足が判明した時点で到着前に速やかに連絡を入れる
「料金不足かもしれない!」
と気づいた時点で、相手に郵便物が届く前に連絡を入れるのが鉄則です。
事前に連絡があれば、相手も「不足分を立て替えておけばいいんだな」と心の準備ができ、不快感が軽減されます。
もし連絡なしに不足の郵便物が届くと、「失礼な会社だ」「管理がずさんだ」という悪印象を与えてしまいます。
気づいた時点ですぐに電話かメールを入れ、「私の不手際で料金不足の郵便物が届く可能性があります」と正直に伝えましょう。
隠そうとしてバレるのが一番のリスクです。
2.相手に不足分を払わせてしまったことを真摯に詫びる
謝罪の際は、言い訳をせずに「こちらの不手際」であることを以下のように明確に伝えましょう。
電話の場合
大変申し訳ございません。本日お届けした書類につきまして、私の確認不足により料金不足が発生し、〇〇様にお支払いの手間をおかけしてしまいました。深くお詫び申し上げます。
メールの場合
件名:郵便物の料金不足に関するお詫び
本文:平素よりお世話になっております。先ほどお送りいたしました郵便物につきまして、こちらの計量ミスにより料金不足が生じ、貴社にご負担をおかけしてしまいました。多大なるご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
3.不足分を返金・弁済する
謝罪だけで終わらせず、相手が支払った金額は必ず弁済します。
一般的には、不足分の金額以上の切手にお詫び状(一筆箋)を添えて、改めて郵送するのがスマートな方法です。
たとえば26円の不足であれば、85円切手や110円切手などを「通信費としてお使いください」と送るケースがあります。
現金書留で数十円を送るのは送料の方が高くつくため、実用的ではありません。
次回会う予定があれば、菓子折りなどを持って直接謝罪し、その場で精算する方法もありますが、まずは郵送でのフォローが基本です。
切手不足や郵便トラブルに関する5つの質問
最後に、訪問看護の事務の現場で聞かれる質問をQ&A形式でまとめました。
「こんなときはどうなるの?」という疑問を事前に解消しておきましょう。
- 不足分をコンビニで支払うことはできますか?
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残念ながら、不足料金をコンビニのレジで支払うことはできません。
郵便料金の収納業務を行っているのは郵便局のみであり、コンビニはあくまで切手の販売やゆうパックの受付窓口に過ぎないからです。
前述のとおり、不足分の切手をハガキに貼ってポストに投函するか、郵便局の窓口へ行く必要があります。
コンビニでできるのは「不足分を支払うための切手を購入すること」だけです。
- 差出人の住所を書き忘れた(不明な)場合はどうなりますか?
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差出人不明で料金不足の場合、返送先がないため、郵便物は受取人へと届けられます。
そして受取人が支払いを拒否した場合、その郵便物は「迷宮入り」となり、一定期間保管された後に処分される可能性があります。
差出人が不明な郵便物は、内容を確認するために郵便局員が開封する権限を持つ場合があります。
大事な個人情報が含まれている書類が、誰の手元にも戻らず処分されるのは最大のリスクです。
これを防ぐためにも、封筒の裏面には必ず差出人の住所氏名を明記しましょう。
- ポストに入れた直後に料金不足に気づいたら取り戻せますか?
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投函直後であっても、自分でポストを開けて取り出すことはできません。
管轄の郵便局に連絡し、「取戻し請求」という手続きを行う必要があります。
ただし、この手続きには手数料がかかるうえ、本人確認書類を持って窓口へ行く手間が必要です。
もし集荷前であれば、郵便局員がポストを開けるタイミングを待って声をかける方法も考えられますが、原則としては一度投函したものは公的な郵便物として扱われます。
手間とコストを考えると、返送されてくるのを待つ方が現実的です。
- 10円未満のわずかな不足でも返送されてしまいますか?
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はい、たった1円の不足であっても返送の対象となります。
郵便局のシステムは重量と料金を厳密に管理しており、「少しぐらいならおまけ」という措置はありません。
「たぶん大丈夫だろう」という自己判断は禁物です。
不安なときは、多めに切手を貼るか(過納は問題ありません)、窓口で測ってもらう習慣をつけましょう。
まとめ
今回は「切手が足りない場合はどうなるのか?」と疑問に思う方に向けて、郵便物の取り扱いやトラブル回避の方法を解説しました。
ついうっかりと切手を貼り間違えてしまうことはあるものです。
基本的には出し直しで対応できますが、訪問看護の現場で利用者さんの個人的な情報を含む書類をやり取りする場合があります。
トラブルを回避するためにも、料金を確認のうえ確実に足りる分を貼って送りましょう。
また、もし相手に届いてしまい金銭的負担をかけてしまった場合は、真摯に対応してください。