- 「今電話をかけても大丈夫だろうか」
- 「さらに相手を怒らせてしまわないか」
クレーム対応の電話を入れる時間帯に悩み、このように焦っていませんか?
相手の生活リズムへの配慮が欠けてしまうと、些細なミスが大きな二次クレームへと発展しかねません。
今回は、クレーム対応の電話の時間帯に悩む方へ向けて、相手を不快にさせないマナーを解説します。
目次
クレーム対応で電話をかけるべき時間帯の判断基準
電話をかける相手の属性や状況によって、適切な時間帯は異なります。
ここでは、相手のパターン別に最適なタイミングを判断するための5つの基準を解説します。
- 法人(BtoB)の場合:業務時間内に配慮する
- 一般個人(BtoC)の場合:生活スタイルに合わせる
- 高齢者・在宅療養者の場合:身体的なリズムを優先する
- 緊急性が高い重大なクレームの場合:スピードを最優先する
- 相手から「折り返し」を指定されている場合:約束を厳守する
それぞれについて、解説します。
法人(BtoB)の場合
法人相手のクレーム対応では、相手の業務フローを想像しましょう。
始業直後(9:00~10:00)は朝礼やメールチェックで忙しく、終業間際(17:00以降)は退勤準備で慌ただしいケースがあるからです。
具体的には、10:00~11:30、または13:30~16:00の間にかけるのがマナーです。
また、週明けの月曜日・午前中は会議が集中する場合もあり、金曜の夕方は翌週への持ち越しを嫌う心理が働くため、避けたほうが無難でしょう。
相手がケアマネジャーや連携機関の場合も同様に、落ち着いて話せるコアタイムを狙ってください。
一般個人(BtoC)の場合
相手が現役で働いている世代の場合、平日の日中に電話をしてもつながらないか、仕事中で迷惑をかける可能性が高いことがあります。
仕事が終わって帰宅し、一息ついたと思われる18:00~19:30頃が、比較的つながりやすいでしょう。
ただし、小さなお子さんがいる家庭では、この時間は食事やお風呂で忙しいかもしれません。
- 最初の電話で都合の良い時間帯を聞き出す
- ショートメッセージ等で都合を伺う配慮を見せる
こうした配慮をしておくと、相手に「こちらの事情を分かってくれている」と感じてもらえるでしょう。
高齢者・在宅療養者の場合
訪問看護をはじめとした医療・介護サービスの利用者さんにかける場合は以下の点に注意しましょう。
- 高齢者は朝が早い方が多い
- 夕方以降は疲れが出たり就寝準備に入ったりする
そのため、遅い時間は避けなければなりません。
ベターな時間帯は、朝食と身支度が終わった「10:00~11:30」です。
相手の生活スタイルや体調、ケアプラン等を事前に把握し、空白の時間を見つけて連絡できるとよいでしょう。
緊急性が高い重大なクレームの場合
こうした緊急性が高い事案では、時間帯への配慮よりも報告のスピードが優先されます。
時間を空けることで事態が悪化し、「なぜすぐに連絡しなかった!」という二次クレームを招くからです。
たとえ昼休憩中や夕方の忙しい時間であっても、第一報は直ちに入れましょう。
ただし、深夜(22時以降)や早朝(7時以前)の場合は、常識の範囲内で判断が必要となります。
「お忙しい時間に大変申し訳ございません。緊急のご報告がありお電話いたしました」
と、緊急性を冒頭で明確に伝えましょう。
相手から「折り返し」を指定されている場合
相手から「〇時に電話してほしい」と指定があった場合は、その時間が絶対的な正解です。
クレーム対応において、約束の時間を守ることは信頼回復の最低条件であり、1分でも遅れれば「反省していない」とみなされかねません。
指定時刻のジャスト、もしくは1分前には連絡できるように準備を整えてください。
一方で、早すぎる電話も「準備ができていない」「急かされている」と感じさせるため厳禁です。
もし約束の時間に会議等が長引いてかけられない可能性があるなら、事前に代理の者が連絡を入れるなど、リスク管理を徹底しましょう。
どうしても「配慮が必要な時間帯」にかける場合の言葉遣い
業務の都合上、どうしても昼時や夜間に電話をかけざるを得ない場面もあります。
そのようなときは、クッション言葉を効果的に使い、相手への気遣いを示しましょう。
- 昼休憩にかける場合
- 夕方・夜分にかける場合
- 休日・朝方にかける場合
それぞれ解説していきます。
昼休憩(12時〜13時)にかける場合
正午から13時の間は、休息をとるプライベートな時間が多い傾向です。
この時間に電話をかけると、「休憩時間さえ奪うのか」と相手の神経を逆なでするリスクがあります。
- 「貴重なお昼休みに恐縮です」
- 「お食事中に失礼いたします」
といったように、第一声で詫びることで、非常識な印象を和らげましょう。
相手が電話に出たとしても、「今、5分ほどお時間よろしいでしょうか?」と所要時間を伝え、許可を得てから本題に入るのがマナーです。
もし「食事中だから」と言われたら、潔く謝罪し、午後の都合の良い時間を聞いてすぐに切り上げてください。
夕方・夜分(18時以降)にかける場合
18時以降は、仕事が終わり自宅でリラックスしているか、家事に追われている時間帯です。
特にクレーム対応の電話は精神的なストレスを与えるため、夜のリラックスタイムにかかってくることを嫌う人は少なくありません。
- 「夜分遅くに恐れ入ります」
- 「おくつろぎのところ申し訳ございません」
という言葉を必ず添えてください。
また遅い時間に連絡する場合は、緊急時を除いて翌日に回すべきです。
しかし、どうしてもかける場合は「遅い時間になり大変心苦しいのですが」と、こちらの申し訳ない気持ちを強調して伝えましょう。
休日・朝方にかける場合
土日祝日や早朝の電話は、相手の休日や一日のスタートを邪魔する行為になりかねません。
- 「お休みの中、大変失礼いたします」
- 「朝早くから申し訳ございません」
と、丁重に切り出しましょう。
「どうしても本日中にお伝えしなければならない件がありまして」
と、休日に電話をした正当な理由を簡潔に添えることも大切です。
相手が電話に出ないときの3つのルール
何度かけても相手が出ない場合、焦りから何度も発信してしまうことがありますが、これは逆効果です。
- 架電回数は1日2~3回まで
- 留守番電話にメッセージを残す
- SMSやメールを活用する
上記のルールを守って連絡してみましょう。
それぞれについて解説します。
架電回数の目安は1日2回~3回までにする
電話がつながらないからといって、1時間に何度も電話をかけてはいけません。
着信履歴が画面いっぱいに並んでいるのを見れば、普通の感覚の人なら嫌な気分になるでしょう。
電話をかける回数は、午前、午後、夕方のタイミングを変えて、1日最大3回程度に留めるべきです。
間隔を空けることで、相手にも「着信に気づく時間」と「折り返す心の準備をする時間」を与えられます。
留守番電話には必ず「謝罪」と「次にかける目安」を残す
電話がつながらず留守番電話になった場合、無言で切るのはマナー違反です。
「誰から何の用件でかかってきたのか」が分からない着信は、相手に不安を与え、クレーム感情を増幅させます。
「〇〇訪問看護ステーションの△△です。先ほどの件でお電話いたしました。また〇時頃に改めてお電話させていただきます」
と吹き込みましょう。
次にかける時間を予告することで、相手もその時間に電話に出る準備ができます。
ショートメッセージやメールを活用する
何度電話してもつながらない場合や、相手が電話に出にくい状況が予想される場合は、テキストメッセージの利用もひとつの方法です。
「お電話がつながらなかったため、メールにて失礼いたします」
と一言断りを入れ、謝罪の要点を簡潔に送信してください。
ただし、重大な謝罪や複雑な説明を長文メールだけで済ませるのは失礼にあたります。
あくまで「電話がつながらない場合の補助手段」あるいは「電話のアポイント取り」として活用するのが、クレーム対応における正しい使い分けです。
まとめ
今回は、クレーム対応における電話の時間帯について、最適なタイミングとマナーを解説しました。
電話をかけるタイミング一つで、相手の怒りが増すこともあれば、誠意が伝わって鎮まることもあります。
「今、相手はどんな状況だろうか?」と想像力を働かせ、相手を尊重した時間に電話をかけられるとよいでしょう。
焦る気持ちを一度落ち着け、最適なタイミングを見極めて連絡してみてください。