- 「FAXを送る際に送り状は必要?」
- 「付けなかった場合、どんなトラブルになるか不安」
このような悩みにお答えします。
訪問看護ステーションなどの医療・介護の現場では、FAX業務が日常的に発生しますが、送り状(送付状)の扱いについて教えを受けていない事務担当者もいるのではないでしょうか。
マナーだからなんとなく送付しているという人もいるかもしれませんが、実は送り状が必要な明確な理由があるのです。
今回は、FAXに送り状が必要な理由と、省略してもよい具体的なケースについて解説します。
この記事を読めば、状況に応じた正しい判断ができるようになり、自信をもって業務に取り組めるようになるでしょう。
目次
FAXの送り状は「原則必要」だが例外もある
FAXを送る際、送り状は「原則として必要」と認識しておきましょう。
なぜなら、送り状は単なる挨拶だけでなく「誰から・誰へ・何を送ったか」を証明する重要な役割を果たしているからです。
特に初めて送る相手や、契約書・医療情報などの重要書類を送る場合は必須といえます。
一方で、社内の拠点間やり取りや、至急で電話を繋ぎながら送る場合など、状況によっては省略しても失礼にならないケースも存在します。
マナーと効率のバランスを見極め、TPOに合わせて柔軟に対応しましょう。
FAXに送り状が必要な3つの理由
「紙の無駄ではないか?」と感じることもあるかもしれませんが、送り状が必要とされる理由は以下のとおり3つあります。
- プライバシーの保護の役割があるから
- 伝達漏れを防げるから
- 相手への配慮になるから
それぞれ詳しく解説していきます。
プライバシーの保護の役割があるから
送り状を1枚目に付ける理由は、プライバシーを保護する役割があるからです。
もし送り状なしで重要書類を送ってしまうと、受信側の複合機に出力された瞬間、通りがかった第三者に内容が見られてしまう恐れがあります。
送り状が表紙(カバー)の役割を果たすことで、機密情報がいきなり目に触れるのを防げます。
万が一番号を間違えて誤送信した場合でも、1枚目の送り状だけなら実害を最小限に抑えられる可能性があるため、リスク管理の観点から非常に重要です。
伝達漏れを防げるから
FAXは通信エラーや用紙切れなどで、送ったはずの書類が全て届かないことがあります。
送り状に「送付状を含む全〇枚」と記載しておけば、受信側は「全部で5枚あるはずなのに4枚しか来ていない」とすぐに気づけるでしょう。
枚数が合わないことに気づければ、相手が再送信を依頼でき、情報の伝達漏れを防げます。
相手への配慮になるから
多くのオフィスや事業所では、一台の複合機を複数人で共有しています。
送り状に宛名が大きく書かれていれば、他の人がFAXを受け取った際も「これは〇〇さん宛てだな」と一目で判別でき、スムーズに本人へ渡してもらえます。
逆に送り状がないと、誰宛ての書類かわからず放置されたり、誤って他の人の書類に混ざって紛失したりしかねません。
相手の手間を減らし、確実に手元に届けるための思いやりとして送り状は機能しています。
状況によっては省略OK!送り状なしでも失礼にならない3つのケース
送り状は原則必要なものの、省略が許容されるケースもあります。
- 法人内の事業所間でやり取りする場合
- 電話で会話しながら送信する場合
- 相手と事前に「送り状不要」の取り決めがある場合
それぞれ解説していきます。
法人内の事業所間でやり取りする場合
法人内の事業所間でFAXを送る場合は、形式的な挨拶を省略しても問題ないケースが多いでしょう。
社内規定にもよりますが、送り状を付けずに用紙の余白へ宛名と送信者名をメモ書きする程度で済ませても問題はありません。
社内業務においては、スピードやコスト削減(通信費・用紙代)が重視される場合もあるため、簡易的な対応でも失礼には当たらないケースもあります。
電話で話しながら送信する場合
- 「今からすぐにFAXを送りますね」
- 「はい、お願いします」
というやり取りが電話をしながらできている場合は、送り状を省略しても構いません。
相手が複合機の前で待機しており、即座に受け取れる状況であれば、紛失や誤認のリスクが極めて低いからです。
この場合は、送信後に改めて電話で「届きましたか?」と確認しておくと、より丁寧でしょう。
急ぎの用件では、送り状作成の手間を省く判断も必要です。
相手と事前に「送り状不要」の取り決めがある場合
頻繁にやり取りをする事業所とは、あらかじめ「お互いに送り状はなしにしましょう」と取り決めておく場合もあるかもしれません。
ペーパーレス化の観点からも、無駄な紙の消費を減らす取り組みが推奨されています。
「今後は業務効率化のため、送り状を省略させていただきます」
と一言断りを入れておけば、マナー違反にはなりません。
信頼関係ができている相手であれば、双方にとってメリットのある選択肢といえるでしょう。
FAX送り状に記載すべき5つの項目
いざ送り状を作成する際、必ず盛り込むべき項目があります。
- 送信日付
- 宛名と送信者名
- 送信枚数
- 件名
- 挨拶文と通信欄
これらが抜けていると、送り状としての役割を果たせません。
それぞれの書き方のポイントをみていきましょう。
送信日付
まず用紙の右上に、送信する日付を記載します。
FAXは受信してもすぐに確認されるとは限らず、数日後に見返される可能性もあります。
いつの情報なのかを明確にするため、正確に記入しましょう。
また、送信時刻が印字される機種もありますが、設定がずれていることもあるため、日付を手書きまたは入力しておくのが確実です。
宛名と送信者名
左上に送信先の「会社名・部署名・役職・氏名」を、右下に自分の情報を記載します。
特に宛名は、組織内の誰宛てなのか特定するために不可欠です。
同姓の社員がいる可能性も考慮し、フルネームで記載するのがマナーです。
送信者名には、こちらの連絡先(電話番号・FAX番号)も必ず併記し、不備があった場合に相手からすぐに連絡をもらえるようにしておきましょう。
送信枚数
前述のように、重要な項目とされているのは送信枚数です。
「送り状を含む全〇枚」や「本紙〇枚(送り状を除く)」のように、受信側がひと目で合計枚数を把握できる書き方をします。
これにより、受信側は「全部届いているか」を確認でき、通信エラーによるページ抜けを即座に発見できます。
枚数確認の欄は、目立つ場所に大きく記載することをおすすめします。
件名
中央部分に、用件のタイトルを記載します。
「〇〇に関する資料送付の件」など、一読して何に関する書類なのかが伝わる件名にしましょう。
単に「FAX送付状」とするよりも、具体的な用件が書かれている方が、受信者の優先順位判断を助けることができます。
挨拶文と通信欄
簡単な挨拶文(お世話になっておりますなど)を入れ、その下に用件の詳細を書きます。
さらに通信欄や備考欄を設け、「ご査収のほどよろしくお願いいたします」や「ご不明な点がございましたらご連絡ください」といったメッセージを添えましょう。
返信が必要な場合は「〇月〇日までに返信をお願いします」と期限を明記しておくのもポイントです。
FAXの送り状に関するよくある質問
FAXの送り状について、よく聞かれる疑問をまとめました。
- 手書きで作成してもマナー違反になりませんか?
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手書きで作成してもマナー違反にはなりません。
むしろ、既存のテンプレートに手書きで宛名や一言メッセージを添えることで、丁寧な印象を与えられます。
ただし、悪筆で読みにくい字だと誤解を招く恐れがあるため、誰が見ても読みやすい楷書ではっきりと書くよう心がけましょう。
- 「拝啓」などの頭語・結語はFAXでも必要ですか?
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ビジネス文書の形式としては入れた方が丁寧ですが、FAXの場合は省略しても失礼にはなりません。
FAXはメールに近い「簡易的な通信手段」と捉えられているため、「いつも大変お世話になっております」などの挨拶文があれば十分です。
ただし、初めて連絡する相手や目上の方、格式を重んじる相手に対しては、「拝啓・敬具」を用いた正式な書式を使うのが無難です。
- 送り状がない場合、どうやってお詫びすればいいですか?
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もし送り状を付け忘れてしまった場合は、気づいた時点ですぐに電話で連絡を入れましょう。
「先ほどFAXをお送りしましたが、送付状を付け忘れてしまい申し訳ありません」と伝え、枚数や内容に不足がないかを確認してもらいます。
または、すぐに送り状だけを別途送信し、「先ほどのFAXの送付状です。大変失礼いたしました」と書き添える方法もありますが、電話でのフォローが最も誠実です。
まとめ
FAXの送り状は、以下のような観点から原則必要と考えましょう。
「面倒だから」と省略せず、自分と会社を守るために、状況に応じて適切に送り状を活用してください。