- 「電話が鳴るたびにドキドキする」
- 「理不尽な怒号が耳から離れない」
事務職員として働いていて、このような状態になったことはありませんか?
クレーム対応でメンタルがやられるのは、決してあなたの能力不足ではありません。
むしろ、真面目で責任感が強い人ほど深く傷ついてしまう傾向にあります。
今回は、医療・介護現場の事務職として働くあなたを守るための方法を解説します。
目次
クレームでメンタルがやられるのは「弱い」のではない
訪問看護の対象者やご家族のなかには、精神的に余裕がなく、感情を爆発させてしまう方もまれにいます。
そのため、あなたが傷ついている要因は、自身の弱さではなく相手の要求や態度が度を超えている場合があるかもしれません。
まずは「自分が弱い」「自分が悪い」という自責の念を一度手放してください。
現在の状況は交通事故のようなものであり、避けようのない災害に遭った状態とも言えます。
クレームでメンタルがやられる人の3つの心理的特徴
同じようなクレームを受けても、受け流せる人と深く落ち込んでしまう人がいます。
その違いは能力の差ではなく、性格や思考のクセにあります。
なぜこれほど辛い思いをしているのか、心理的背景を知ることで、自分を客観的に見つめ直せるでしょう。
責任感が強く自責思考に陥りやすい
事務職は看護師やケアマネジャーとの連携など、ミスが許されない業務を担っており、責任感の強い方が多い傾向にあります。
そのため、クレームが発生すると、たとえそれが看護師の遅刻や制度上の問題であっても、「私の案内が悪かったのではないか」と自分を責めてしまう方もいます。
しかし、組織の問題を個人の責任として背負う必要はありません。
「自責の念」は解決につながらないばかりか、あなたの心を内側からむしばんでしまいます。
真面目で相手の言葉を真に受けやすい
真面目な人ほど、相手の言葉を一言一句聞き漏らさず、誠実に対応しようと努めます。
しかし興奮したクレーマーは、事実とは異なる誇張をしたり、感情的に罵倒したりする場合もあります。
そのため、相手の投げた言葉をすべて受け止める必要はありません。
といった人格否定の言葉を真に受けて傷つくことは、相手の理不尽なストレス発散に付き合っていることと同じです。
完璧主義で失敗を許せない傾向がある
医療・介護の現場では正確性が求められますが、人間相手の仕事において100点満点の対応を続けることは不可能です。
完璧主義の傾向がある人は、たった一度のクレームで「自分は事務職に向いていない」「ダメな人間だ」と、自己評価を極端に下げてしまう場合があります。
「誤解や行き違いは必ず起こるもの」
このように割り切る勇気が必要です。
失敗を許せない厳しさが、クレームを受けた際の精神的ダメージを何倍にも増幅させています。
理不尽なクレーマーの正体と3つのタイプ
クレーマーを相手にするとメンタルがやられそうになるかと思いますが、相手を「怖い人」ではなく「分析対象」として見ることで、冷静さを取り戻しましょう。
自分のイライラをぶつけたいタイプ
介護疲れや自身の病状悪化などによるストレスが溜まり、たまたま電話に出たあなたに当たってしまう方がいます。
こういう方の特徴は、話の内容が支離滅裂で、こちらの説明を聞こうとしない点です。
怒りの原因はあなたではなく、相手自身の人生に対する不満にある場合があります。
「ストレスが溜まっている人なんだな」と心の中で理解する姿勢が大切です。
あなたの業務遂行能力とは無関係な、八つ当たりに近い言動と言えます。
正義感からクレームをつけるタイプ
- 「医療従事者は奉仕すべき」
- 「最近の若い者はなっていない」
このような独自の正義感から、あなたを説教することで満足する方もいます。
こうした方は「自分は正しいことをしている」と信じており、脳科学的には「処罰欲求」による依存に近い状態です。
相手はこちらを教育しているつもりですが、実際は自分の価値観を押し付けているだけの場合があります。
利益を要求するタイプ
といった内容について、大声で威圧すれば特別扱いを受けられると思う方も中にはおり、やや悪質な交渉テクニックとして使ってくる場合があります。
毅然とした態度で「できないものはできない」と伝えることが解決策です。
ここで譲歩すると、要求はさらにエスカレートしていきます。
クレーム対応でやられたメンタルを守る5つの方法
クレームを受けた直後や、動悸が止まらないときなどに使える方法を紹介します。
真正面から受け止めるのではなく、技術的に心を守る術を身につけてください。
物理的に遮断する
怒りの感情のピークは「長くて6秒」と言われています。
相手がヒートアップしたり、自分がパニックになったりしそうなときは、即座に保留ボタンを押してください。
物理的に相手の声を遮断し、その間に深く深呼吸をします。
「確認いたします」と伝え、いつでもその場から離れましょう。
数秒間でも離れることでメンタルは安定します。
業務上の指摘と割り切る
クレーマーの言葉には「業務上の事実」と「感情的なもの」が混在しています。
たとえば「気が利かない役立たずだな!請求書が間違ってるぞ!」とひどい言葉をかけられたとしても、受け取るべき情報は「請求書の誤り」のみで問題ありません。
「役立たず」という言葉は感情的なものとして、即座に廃棄しましょう。
業務改善に必要な情報だけを抽出し、それ以外の暴言はノイズとして処理するイメージをもってください。
主語を変換する
「私が悪い」ではなく「相手が困っている(怒っている)」と客観視することがポイントです。
クレームを受けている最中、主語を「私」にしてしまうと「私が怒られている」とダメージを受けるため、主語を強制的に「相手」に変換しましょう。
- 「あの人は今、顔を真っ赤にして怒っている」
- 「あの人は今日、機嫌が悪いようだ」
と、相手を観察する視点をもつことで、心理的な距離が生まれます。
自分事として捉えず、ガラス越しに暴れている人を眺めるような、第三者的な視点を持つとよいでしょう。
感情のスイッチを切る
出勤と同時に「優秀な事務職員」という着ぐるみを着ていると想像してください。
クレームはその着ぐるみに対して言われているものであり、中の人(あなた自身)には関係ありません。
「はい、左様でございます」と機械的に繰り返す「事務ロボット」のようなイメージです。
感情のスイッチをオフにし、淡々とプログラムされた対応を行うことで、心へのダメージを最小限に抑えられるでしょう。
優先的に休息をとる
メンタルがやられた日は、脳が極度の疲労状態にあります。
精神論で回復しようとせず、ケアを最優先してください。
温かいお風呂に入り、消化の良いものを食べ、早めに布団に入りましょう。
心と体はつながっているため、体が回復しなければ、心も立ち直れません。
「今日は傷ついたから特別ケアの日」
と決め、家事は休んで自分を甘やかしてください。
まとめ
クレームでメンタルをやられてしまう人には、責任感が強く、相手の言葉を真に受けやすい、そして失敗を許せない完璧主義の傾向が見られます。
これらは決して弱さではなく、仕事に誠実に向き合っているからこその特性ですが、理不尽な言動に直面すると心のダメージが大きくなってしまいます。
クレーム対応では、相手の感情と業務上の事実を切り分け、必要な情報だけを受け取ることが重要です。
「自分が責められている」と捉えるのではなく、「相手が困っている、怒っている状態だ」と客観視し、役割として淡々と対応することで心を守りましょう。
対応後は無理をせず、しっかり休息をとることも大切です。